シント=トロイデンのGKシュミット・ダニエルがカタール・ワールドカップ(W杯)のメンバー入りを受けて会見を実施した。

1日、東京都内のホテルで森保一監督がカタールW杯に臨む日本代表メンバー26名を発表した。

1人ずつ名前を読み上げていく中、GKの3番目としてシュミットもメンバー入りした。

これまで正守護神としてGK権田修一(清水エスパルス)が君臨し、アジア最終予選などでもゴールマウスを守ってきた一方で、今シーズンは飛躍的に成長したシュミットは、9月のエクアドル代表戦で出色の出来。持ち前の足元の技術に加え、PKストップで貢献するなど、序列の変化を感じさせるプレーを見せていた。

W杯メンバー選出後、シュミットは記者会見に臨み、初のW杯出場への率直な感想を語った。

「まずはカタールのW杯のメンバーに選ばれたことを光栄に思っています。大会では少しでも日本代表の力になれるように精一杯頑張っていきたいと思っています」

「あとはこれまで自分自身に関わってくださってくれた皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。結果で恩返しできるように頑張りたいと思います」

実際に発表を見守っていたというシュミット。「結構緊張して見ていました」と語り、「GKとしては3人目に呼ばれたので、1人1人間隔があって、GK最後の1人で緊張していました。呼ばれるかどうか、森保さんの間が緊張しました」と、監督が大事に1人ずつ名前を呼ぶ間が緊張したとした。

ただ、実際に呼ばれてからは「無事呼ばれてホッとしました。他のメンバーがどうなるかを見ていました」と、その後はフィールドプレーヤーの選出を見守ったという。

「いざ呼ばれて、まずはホッとした気持ちが強く、やっとここから始まるなという気持ちになりました」と語るシュミット。ただ、「正直、そこまで不安は感じてはいなかったです」と、呼ばれない可能性は考えていなかったという。

シュミットにとっては初めてのW杯。共に選出されたGK川島永嗣(ストラスブール)と権田は共にW杯を経験している。

GKチームについては「もちろん、みなさん準備はできていると思いますし、自分が試合に出るつもりで集まってきます」と語り、「他の選ばれたGKの2人と比べるとかではなく、それぞれが自分の一番良いコンディションでカタールに行くこと。それが一番チームのためになると思うし、他のGKと競争するとかよりは、自分が一番良いコンディションでいることが一番大事だと思います」と、自分のことを整えていくことが何よりも大事だとした。

また「その上で、誰を使うかは監督が決めることなので、自分が試合に出るためにどうするとかというのは、あまり考えないようにしています」とコメント。万全の状態でいる中で、監督が誰を起用するかに任せるとした。

日本が入ったグループEは競合が揃っている中、どの国もワールドクラスのGKが揃っている。ドイツであればマヌエル・ノイアー(バイエルン)、コスタリカはケイロル・ナバス(パリ・サンジェルマン)、スペインはウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)と世界でも屈指の守護神たちが相手となる。

シュミットは「ワクワク感は凄くあります。GKは1試合だけで判断できるポジションではないですが、その試合に出られたとして相手のGKよりパフォーマンスで上回れたら世界に認めてもらえる。そこはチャンスだと思いますし、ワクワクしています」とコメント。対峙することはないが、相手よりもチームに貢献することが評価に繋がるとした。

2018年に日本代表に初招集されたシュミット。この4年間で大きく成長し、それはシント=トロイデンに渡ってからが大きく影響している。

「僕は一番は割り切る力がついたかなと思っています」と成長した部分について語るシュミット。「ミスが起きた時に、それを引きずるとGKは難しいので、スパッと割り切って次のプレーに切り替えるとか、良くない試合があったら、割り切って次の試合に向かうというのは、ベルギーに来て、色々な外国籍の選手がいますが、そういうチームメイトたちを見て学んだなと思います」と語り、チームメイトの切り替えを見て学んだ部分が大きいという。

メンタリティの部分が成長したというシュミットだが「GKにとってはかなり大事かなと思います」とメンタルの影響は大きいとし、「GKのミスはかなり重くのしかかるので、そういう動きは大事だと思います」と、切り替えるということは大きいとした。

また、「間違いなくこっちに来なければ選ばれてはいないかなと思います」Jリーグでプレーを続けていたら選ばれることはなかったと語ったシュミット。「理由としては、毎年ヨーロッパ、アフリカの選手、日本ではあまり味わえないような雰囲気、強度の中でプレーすることで、成長できたことはあると思います。そういう部分で、良い経験ができたからこそこの選出があると思っています」と、自身でもベルギーで大きく成長したことを実感しているようだ。

そして今シーズンからはFW岡崎慎司、昨シーズン途中からはMF香川真司とW杯経験者であり日本代表の先輩がチームに加わった。

アドバイスについては「キャリアの中で凄く特別な大会になるよというのは真司くんも岡崎選手もおっしゃっていました」とコメント。「W杯が終わった後のメンタルの疲労感はどうかを聞いて、そういうことを含めて、色々と話をしてくれました」と、しっかりと経験者からのアドバイスもあったようだ。