11月1日、カタール・ワールドカップに臨む日本代表のメンバー26人が発表された。そんななかでも、大迫勇也、古橋亨梧、原口元気、旗手怜央の落選は驚きを伴うものだったようだ。
特に、大迫と古橋の選外に驚きを露わにしたのが、米スポーツチャンネル『ESPN』のアジア通、ガブリエル・タン記者だ。「大迫勇也、古橋亨梧を欠いたチームは、ベスト8という目標を達成するための十分な“火力”を備えているのだろうか?」と疑問を綴っている。
「主要大会でのメンバー発表がされると、その選考を巡って議論が起きる。特に今回、注目すべき落選者が2人いた。1人は大迫だ。彼は前回のワールドカップにおけるベストパフォーマーの1人であり、アジア予選突破にも貢献した。そして、もう1人が古橋。奇妙なことに、これはサプライズというよりも、順当な結果かもしれない。セルティックで絶好調のストライカーは、代表では居場所に苦しんできたからだ。
だが、この2人はワールドカップでゴールを量産する日本代表の最有力候補だった。彼らの不在がどのような影響を及ぼすのか。今回選ばれた前線の浅野拓磨、上田綺世、前田大然を信頼するには、数字も時間も足りていないように思う」
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また、南野の調子が上がり切っていないことにも懸念を示し、「日本がドイツとスペインのどちらか、あるいはコスタリカを破ってワールドカップのノックアウトラウンドに進む可能性があるとすれば、ゴールはどこから生まれるのだろう?」と訴える。
「その条件を満たす選手と言えるのは、鎌田大地だろう。彼はゆっくりと、しかし確実に世界のトップスター選手への道を歩みつつある。決して傑出したストライカーとは言えないが、今年は19試合に出場し、11ゴールを挙げ、ドイツでサディオ・マネやティモ・ヴェルナーと得点ランキングで争っている。チャンピオンズリーグという大舞台でも物怖じしない。今回の選考で、森保監督は、鎌田や久保建英、堂安律のように、代表チームで必ずしも定位置を確保しているわけではなくても、燃えるような野心を持つ選手には経験を求めないことにしたのだと感じた」
とはいえ「得点力不足の根本的な解決にはならない」とも記す。
「前回のワールドカップでも日本は得点力不足に苦しんでいたが、ラウンド・オブ16まで駒を進めることができた。この時、本田圭佑や香川真司といった実績のある選手の存在があったことは大きい。だからこそ現状、古橋や大迫のような選手がカタールまで行っていたら、少なくとも、もっと良いチャンスが巡ってきていたのではないのかと思うのだ」
タン記者の懸念が的を射ないことを祈るばかりだ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部