1日、カタール・ワールドカップ(W杯)に臨む日本代表メンバー26名が発表された。
都内のホテルにて記者会見が実施。森保一監督の他、田嶋幸三日本サッカー協会(JFA)会長、反町康治技術委員長が登壇した。
7大会連続7度目のW杯に臨む日本は、ドイツ代表、コスタリカ代表、スペイン代表とグループステージで同居。とても厳しいグループに入った中、ベスト8を目指す。
森保監督が1名ずつ選手の名前を読み上げて発表。大きなサプライズで招集された選手はいないが、エースとして長らくプレーしてきたFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)、森保体制で出場試合数が多かったMF原口元気(ウニオン・ベルリン)、ゴールを量産しているFW古橋亨梧(セルティック)が選外となり驚きを与えた。
メンバー26名を発表した率直な感想については「発表した今も難しい選択だなと思っております」と語った森保監督。26名には「今のベスト、今回のW杯に臨むにベストな選択をしたと自信を持っていますが、このメンバーに入ってもおかしくない力のある選手たちはまだまだたくさんいますので、その選手たちのことを思うと複雑な心境です。全ての選手たちの想いを持って、カタールでW杯を全力で戦いたいなと思っています」と、本大会への意気込みを口にした。
最終的に26名を選んだタイミングについては「最終的には今朝決断しました」と語った森保監督。「しかしながら、昨日スタッフミーティングでこれまで積み重ねてきた議論の延長上で色々な想定をして、26人を選ぶという議論をしたなかで、おおよそのところを決めて、最終的には色々な選手の状態を確認して、今朝決めさせてもらいました」と、昨日のミーティングでほとんどは決まっていたとした。
森保監督は現役時代に“ドーハの悲劇“を経験。W杯出場の夢を断たれた経験がある。その土地でのW杯開催については「私の現役時代はドーハの地でW杯への夢を叶えられなかったという場所であることは私自身んも悔しい、悲しい思い出がある場所だと認識しています」とコメント。「しかしながら、リベンジという気持ちは持っていなくて、監督として素晴らしい選手やスタッフとともに、そして我々のサポーターとともに、カタールのW杯を楽しみにしています」と、本大会が楽しみだという。
また「私が経験したことは本当に悲しいことでありましたが、その“ドーハの悲劇“を”ドーハの歓喜“に変えられるように、残された時間で最善の準備をして、カタールの地では選手たちに思い切ってプレーしてもらい、喜びあえる結果を出せればと思います」と。しっかりと結果を残すための準備をしたいと語った。
今回のメンバーは26人と通常よりも3人多く招集できることについては「今回のメンバー選考で、これまでの23人から26人に3人増員になったことで、あらゆる想定をした中で、我々の日本のストロングポイントを少しでも出していける特徴を持った選手たちをプラスしたと思っています」とコメント。「これまでも23人で戦う選択肢より、26人で戦う選択肢は多いといことで、選びました」と、3人を加えた26人でシミュレーションを色々したという。
「23人から26人になって、ひょっとしたら違う人数になることがあっても、良い選手はたくさんいますし、そこで26人であり、例え話ですが30人だったとして30人選ぶとしても必ず全て迷う選考になるんだなと感じました」と、どんな人数であれ、選考には悩みはつきものだと語り、「23人から26人になって、もっと選びやすくなるかなと思っていましたが、全くそんなことはなかったですし、選手たちの想いというものを感じながら、今回の選考に当たらせてもらいました」と、3人の枠が増えたところで、難しさは変わらなかったとした。
W杯への気持ちについては「四文字熟語で言うと行雲流水の気持ちでいます」とコメント。この言葉は「空をゆく雲と川を流れる水のように、執着することなく物に応じ、事に従って行動すること」という意味があり、自然の成り行きに任せるという意味がある。
森保監督は「この場は非常に緊張していますけど、W杯本大会での戦いを考えた時、非常に楽しみですし、ワクワクする気持ちはありますけど、気持ちの高揚はあまりなくて、普段やっていることをW杯に向けて積み上げていくと言うことを自然体で考えられているかなと思っています」と、これまで通りやってきたことを信じて続けていくだけだとした。
改めて日本代表のファン、サポーター、そして国民へのメッセージを求められ、みんなで一緒に戦いたいと呼びかけた。
「まずは日本代表を応援してくださっているサポーターの皆さん、国民の皆さんには、日頃からの活動の応援に感謝したいと思います」
「カタールW杯では日本の代表として、日本人としての誇りを持って、日本人らしくチーム一丸となって最後まで戦って、皆さんの応援に応えたいと思います」
「我々はベスト8以上という目標を持っています。強豪ばかりのW杯で簡単な目標ではないですが、サポーターの皆さん、国民の皆さんの力を借りられれば、必ず目標は達成できると思っていますし、サポーターの皆さんと国民の皆さんには、応援と共に一緒に戦っていただき、みんなで挑んで新しい景色を喜べたらと思っています」