アーセナル・ウィメンに所属するイングランド代表FWベス・ミードが、男子のFIFAワールドカップカタール2022に懸念の声をあげた。3日、イギリスメディア『BBC』が報じている。

 ミードは日本代表FW岩渕真奈の同僚として、アーセナル・ウィメンでプレー。2022年の女子EUROで得点王、MVPに輝き、女子部門のバロンドールでも2位にランクインした。同性愛者であることも公表しているミードは『BBC』のラジオ番組に出演し、イスラムのシャリーア法の下で同性愛が不道徳と見なされているカタールでの開催に失望のコメントをしている。

「私が信じ、尊敬していることとは正反対だ。それは、私がサポートしたり、推進したりするものではない。サッカーの試合なのに、多くのレベルでリスペクトが無いという意味で残念だ」

「そこでサッカーをする選手たちは応援しているが、(カタール開催が)発表された瞬間から、それは最善のアイデアではないと思った」

 なお、ミードは現在アーセナル・ウィメンのチームメイトでもあるオランダ代表FWフィフィアネ・ミデマーと関係を築いている。しかしながら、本人たちにとってはそれが単なる「普通の生活」であるため、声明を発表したり、カミングアウトの必要性を感じたことは1度も無いとコメントした。

「私たちは、最初の日からそれが普通だった。私たちは、『私たちが誰と一緒に居て、何をしているのか』をカミングアウトして声明を出す必要を感じていない。私たちはそれを通常の生活として分類している。私とフィフ(ミデマーの愛称)の写真を『Instagram』に載せたいならそうするけど、『これは私のガールフレンドです、これが、私たちがやっていることです』などといったキャプションは付けない」

「男子の試合では、彼らは状況を表明しなければならないと感じている。それは文化であり、その文化を変える必要がある。私たちは21世紀に生きていて、恋に落ちる人と恋に落ちる。誰であるかは関係無い。それが、私たちが伝える必要がある認識だ。それは世代のこと? それはゲーム内の文化的なもの? 私はそのギャップを埋めて、それをスタンダードにしようとするのを手伝いたい」

 前述の通り、カタールでは同性愛が厳しく罰され、罰金や最高7年の懲役刑、さらには死刑に至るケースもある。カタール大会の主催者側は、「誰でも歓迎する」、「誰も差別されない」と語っているものの、未だに世界各国から非難が多い状況となっている。