カタールの地で見たい最高の輝き

ワールドカップ・カタール大会はベルギー黄金世代にとっての集大成だ。先日にはMFケビン・デ・ブライネが最後のワールドカップになる可能性を示唆していたが、デ・ブライネまでカタール大会後に去るなら黄金世代も本格的に終わりの時が近い。

やはり気になるのはエデン・アザールだろう。マンチェスター・シティではデ・ブライネが圧倒的な評価を得ているが、ベルギー黄金世代で常に特別な視線を浴びてきたのはアザールだ。代表の10番を背負い、天才アタッカーとして黄金世代を引っ張ってきた。

アザールにとってもこれが最後のワールドカップになる可能性が高いが、問題はレアル・マドリードでの状況だ。クラブで調子を上げて代表チームへ合流するのが理想的な流れだが、アザールは今季もレアルでほとんど結果を残していない。

ここまで229分間プレイして1ゴール1アシストのみとなっており、リーグ戦でもチャンピオンズリーグでも明確な戦力とはなっていない。ブライトンのレアンドロ・トロサールなど勢いのあるアタッカーもいるが、代表監督ロベルト・マルティネスはアザールの世代に賭ける考えなのだろう。アザールへの信頼は厚く、ここでアザールを外す案は考えにくい。

大会までにレアルで出番が増えるとは予想しづらく、アザールはぶっつけ本番に近い形でワールドカップを迎えることになるだろう。改めて天才と証明する場はワールドカップしかないのだ。アザールが最高の輝きを放った時のベルギーは特別な強さを発揮するが、アザールはカタールの地でチェルシー時代に近いパフォーマンスを見せてくれるだろうか。黄金世代にとって最後となるであろうカタール大会を消化不良で終わらせるわけにはいかない。