FIFA ワールドカップ カタール 2022では、多くのトッププレイヤーが至極のプレーで観るものを魅了した。今回は「守備」にフォーカスを当てて、今大会のスーパープレーを振り返る。

【映像】観客を沸かせた至極のディフェンス

ペリシッチが守備で魅せたロケットスライディング

 ベルギー代表とのグループステージ第3戦、負ければ敗退濃厚の中で本来は攻撃的な選手であるペリシッチが守備で魅せた。

 トロサールからデ・ブライネへ送られたパスをスライディングでカット、そしてそのルーズボールもベルギー代表の選手に触られる前にクリアした。

 この試合でも左WGで出場していたペリシッチだが、アントニオ・コンテ監督が率いるインテルやトッテナムで左WBとしてプレーしたことで植え付けられた「守備意識」の高さがワールドカップという大舞台でも活きた形だ。

ロケットスライディングにドロップキック、G線上のクリアなど観客を沸かせたディフェンス

ヒメネスの闘志溢れる低空ドロップキック

 ウルグアイ代表DFホセ・ヒメネスは韓国代表FWソン・フンミンを封殺するスーパーなタックルで魅せた。

 味方選手からのダイレクトパスを受けたソン・フンミンは、完全にフリーの状況でドリブルをスタート。ドリブルでシュートコースさえ見つけることができれば、、という場面だったが、ヒメネスがスライディングタックルでボールを奪って見せた。

 スローでのハイライトを見ると、ヒメネスはドロップキックのような体勢でスライディングタックルをした後に、左足を目一杯に伸ばしてボールを奪っている。選手ではなく、ボールに対してクリーンに対応したこの守備は観客を沸かせた。

ロケットスライディングにドロップキック、G線上のクリアなど観客を沸かせたディフェンス

危機察知能力高すぎ ベヒッチのG線上のクリア

 シュートを防ぐのはGKだけではない。それをプレーで証明したのがオーストラリア代表DFベヒッチだ。

 フランス代表とのグループステージ初戦で、グリーズマンがGKがいないゴール右角にグラウンダーのシュートを放った。誰しもがゴールが決まったと思っただろうが、シュートを打った瞬間にそのコース上にはいなかったはずのベヒッチが、急いで戻り間一髪、右足でクリアした。

 グリーズマンのシュートはコース、威力ともにゴールを決めるには十分だったが、この場面ではベヒッチの危機察知能力が上回った形だ。

 フットボールではどうしてもゴールばかりに注目が集まるが、それを全力で防ごうとするディフェンスがあるからこそその希少価値は高まる。これを機にスーパーゴールだけでなく、スーパーディフェンスにも注目してみてはいかがだろうか。
(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)