明治安田生命J1リーグ・名古屋グランパス所属のGKミッチェル・ランゲラック(34)は、今年9月にオーストラリア代表へ電撃復帰。しかし豪州紙『ジ・エイジ』は8日になって、同選手のFIFAワールドカップ・カタール大会オーストラリア代表落選が確実と報道。8日午後にメンバー発表を控える中での落選報道には、オーストラリア国内から反対意見が沸き起こっている。

 ランゲラックは昨年5月に一度オーストラリア代表引退を表明したものの、グラハム・アーノルド監督からの説得もあり代表復帰を決断。今年9月22日と25日の国際親善試合・ニュージーランド戦でベンチ入りしたが、いずれも出番はなかった。

 またアーノルド監督は同選手の招集直後、豪州メディアのインタビューで「現時点での唯一の保証は、ニュージーランドとの2試合のみだ。彼はこの2試合のために代表チームに参加する」と、カタールW杯の代表メンバー入りが白紙であることを強調。

 それでも「彼の状態やパフォーマンスは、カタールW杯にむけて最も重要なことだ。ワールドカップにむけて、すべての計画を立てなければならない。ゴールキーパーの誰かに何かアクシデントがあったとしても、プランBやプランCの準備ができるようにしておかなければならない」とランゲラック招集の可能性をほのめかしていた。

 しかし『ジ・エイジ』は「オーストラリアサッカー連盟(FFA)が今月8日午後にカタールW杯のメンバーが発表されるのを前に、アーノルド監督はランゲラックを代表メンバーから外すという驚くべき決定を下した」と報道。

 「ランゲラックは今年、オーストラリア代表GKの中でも所属クラブで最も多くの出場機会を得ている」とした上で「アーノルドのランゲラックに関するこれまでの発言や、彼の選考基準を踏まえると衝撃的なことである」と綴っている。

 また米メディア『スタッツ・パフォーム』の元記者であるAリーグ(豪州1部)公式デジタルプロデューサーは「ランゲラックに関するニュースは衝撃的だ。ニュージーランド戦では1分もピッチに立たなかったし、アーノルド監督から引きずり出されたんだ」

 「彼は名古屋グランパスのMVPであり、今季のJ1リーグで最少失点だ。そもそもオーストラリア代表のメンバーに入るかどうかではなく、正守護神でなければならない存在である」とツイート。

 豪州の通信大手『オプタス』の記者も「ランゲラックは2021年以降、マシュー・ライアン(コペンハーゲン所属)やアンドリュー・レッドメイン(シドニーFC所属)、ダニエル・ブコビッチ(セントラルコースト・マリナーズFC所属)よりもクリーンシートの回数が多い。アーノルド監督の決断は不可解だ」と投稿するなど、アーノルド監督の選考を批判している。

 なおオーストラリア代表は、カタールW杯グループリーグでフランス代表、チュニジア代表、デンマーク代表と対戦する。ランゲラックのメンバー外が確実となったことから、本大会でもGKマシュー・ライアン(30)が正守護神を務めるものとみられる。