4年前を知る選手が多く残った

クロアチア黄金世代は準優勝を果たした4年前のロシア大会がピークかと思われたが、この世代には続きがあった。ルカ・モドリッチら主力が今もトップレベルを維持しているのだ。

英『Daily Mail』は「リセットする必要がなかった」と評しているが、今回のカタール大会でもモドリッチら前回準優勝メンバーは健在である。積み重ねてきた経験値を武器に、粘り強い戦いを見せてくれるはずだ。

マリオ・マンジュキッチが去った前線はややトーンダウンした印象もあるが、モドリッチ、マテオ・コバチッチ、マルセロ・ブロゾビッチ、マリオ・パシャリッチ、モドリッチ2世とも評されるレンヌのロヴロ・マイェル、ザルツブルクで注目される20歳のルカ・スシッチなど、相変わらず中盤の陣容は豪華だ。

4年前はイヴァン・ラキティッチがいたが、それでも中盤のクオリティは高い。経験値も考えれば、カタール大会でも1、2を争う中盤の完成度と言っても大袈裟ではないか。

大きかったのは最終ラインの世代交代で、ここはライプツィヒのヨシュコ・グヴァルディオル、バイエルンのヨシプ・スタニシッチ、サッスオーロのマルティン・エルリッチ、ディナモ・ザグレブのヨシップ・シュタロ、左サイドバックに入るシュツットガルトのボルナ・ソサなど若手が続々と出てきた。そこにベテランのデヤン・ロヴレンも入っており、守備の期待度は4年前を上回ると言っていい。

メンバー構成的に大量得点を狙うチームではないが、最終ラインから中盤にかけての実力はかなりのものだ。強豪をも苦しめる力があり、2大会連続のファイナル進出を狙うことも不可能ではない。目標は思い切って優勝に設定してほしいところで、モドリッチ中心の同国歴代最強チームの集大成となる大会が始まる。