南野を使いこなせるか

ワールドカップ・カタール大会に臨む日本代表のメンバー26人が発表された。

英『The Athletic』や米『ESPN』といった複数の海外メディアはサムライブルーを分析しており、センターフォワードに入る選手のクオリティ不足を指摘している。

それもそのはずで、海外での経験がありW杯を戦ったこともある大迫勇也や今セルティックで得点を量産している古橋亨梧が選考から外れたからだ。代わりに招集された前田大然や浅野拓磨、上田綺世、町野修斗は浅野を除いて日本代表での経験が少ないメンバーが多く、その浅野も今季は怪我の影響もあってボーフムで1ゴールも奪えていない。

このように攻撃面に不安の残る日本代表だが、英『90min』はある日本の強みに注目している。それが2列目のメンバーの質だ。「日本の最高の選手」として鎌田大地、堂安律、久保建英の名前を挙げており、鎌田を「トッププレイメイカー」と呼んでいる。

今回のW杯は登録メンバーが23人から26人に増えたことで従来の大会よりも3人多く招集することができている。

2列目は大きくその影響を受けている。本来各ポジションに2人が基本だが、右サイドハーフに伊東純也と堂安、トップ下に鎌田と南野拓実、左サイドに久保と三笘薫、相馬勇紀の計9人を招集することに成功している。

ストロングポイントとなる2列目では今季多くの選手が所属クラブで結果を残している。鎌田が7ゴール3アシスト、伊東は4ゴール1アシストで、久保と堂安は仲良く2ゴール2アシストだ。三笘はまだ1ゴール1アシストだが、ブライトンで出場機会を増やしており、最終的にチーム内で上位のスコアラーになる可能性を秘めている。ここで名前を挙げた選手は所属クラブで十分にプレイタイムを得ており、コンディションは問題ないといえる。

南野の起用法は気になるところだ。今回は落選も予想された南野だが、無事選ばれた。背番号は変わらず10番で、森保ジャパン発足後から継続して招集されている。

南野の日本代表でのポジションは変化しており、左サイドからトップ下となっている。しかしどちらのポジションもライバルが強力で、南野の存在感は薄い。

思い切って最前線で起用するのも悪くないが、森保監督はどのような決断を下すのか。守備が上手い選手であり、ハイプレスを敷くことになる日本と相性がいい。ただ売りだった決定力の高さには陰りが見えており、使いにくさもある。

日本代表の武器となる2列目。様々なタイプのアタッカーが揃っており、彼らがW杯でサプライズを起こすことになるのだろうか。