PK戦の末にクロアチアに黒星も…守護神の権田は評価に値
日本代表は現地時間12月5日、カタール・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表に挑み、PK戦の末に敗れてベスト16敗退となった。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏が、クロアチア戦の出場16人を採点した。
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日本代表・クロアチア戦の出場メンバー&監督採点(10点満点)
<GK>
■権田修一(清水エスパルス) 7点
PK戦はほとんど何もできなかったが、素晴らしいパフォーマンス。モドリッチのシュートを防いだのは見事なセーブだった。
<DF>
■冨安健洋(アーセナル) 5点
今大会はあまり出番がなかったからか、やや錆び付いたようなプレーを見せた。同点ゴールはペリシッチへの贈り物のようになってしまった。
■吉田麻也(シャルケ) 5点
吉田は何度も危険なエリアでボールを失い、時折不安そうな表情を見せていた。PK戦ではマルコ・リヴァヤのミスによって日本がわずかな望みを得たが、PKを失敗し、クロアチアに主導権を返してしまった。
■谷口彰悟(川崎フロンターレ) 6点
傑出したディフェンダーだった。堅実なプレー、熟練のパフォーマンスで森保監督からの価値を高めた。
W杯初ゴールの前田は「適切なタイミングで適切な場にいた」
<MF/FW>
■伊東純也(スタッド・ランス) 6点
序盤から堂安との連係で右サイドを押し上げた。クロアチアのディフェンスをこじ開けるようないいクロスを上げていたが、前田や長友にはミリ単位のわずかなズレで合わなかった。
■守田英正(スポルティング) 6点
遠藤とともに中盤の底で静かに役割を果たした。サムライブルーの攻撃の起点になろうと、素早くボールを前に運ぼうとする姿が何度も見られた。
■遠藤航(シュツットガルト) 6点
チームの中心としても強固なパフォーマンス。モドリッチへ早い段階でのチャレンジは、レアル・マドリードの選手にとって厳しい夜となることを予感させるものだった。
■長友佑都(FC東京) 6点
2大会連続で「あの時こうしていれば……」と思いながらW杯を去ることになった。伊東の低いクロスにもう少し早く反応していれば、日本が先制できていたかもしれない。輝かしいキャリアに対して、残念な結末が待っていた。
■堂安律(フライブルク) 6点
クロアチアのディフェンスを常に脅かす存在、日本の扇動者だった。前田のゴールを演出したあとは試合が進むにつれて影響力が弱まっていったが、効果的なプレーを見せていた。
■前田大然(セルティック) 6点
絶え間ないランニングと努力で、ついにW杯初ゴールを決めた。適切なタイミングで適切な場にいた。
■鎌田大地(フランクフルト) 6点
これまでの試合と比べればかなりいいパフォーマンスだった。堂安とサイドを入れ替えながら、クロアチアに問題を引き起こした。
PKキッカー1人目で失敗の南野は「ミステリー」
<途中出場>
■三笘薫(ブライトン) 6点
日本において最も効果的なアタッカーの1人が、左のウイングバックのポジションに下がるというのはやはり奇妙な感じがする。森保監督の起用法は不可解だったが、クロアチアのGKにPKに防がれたのは不運だったと言うほかない。
■浅野拓磨(ボーフム) 5点
前田と交代で入ったが、十分なエネルギーやダイナミズムをもたらすことはできなかった。特にドイツ戦で見せたような高いレベルには達していなかった。
■酒井宏樹(浦和レッズ) 5点
鎌田の代わり、後半残りの15分間から出場。伊東をより前線に送り出すことに貢献した。しかし、この動きが攻撃の脅威を高めることはほとんどなかった。
■南野拓実(ASモナコ) 4点
長い間、自信を失っていた選手がなぜPK戦の最初のキッカーになることが許されたのかはミステリーだ。起こるべくして起こった事故であり、彼のミスは驚きではない。
■田中碧(デュッセルドルフ) 採点なし
延長戦の最後の15分間で守田に代わって出場したが、ほとんどインパクトを残すことはできなかった。(マイケル・チャーチ/Michael Church)