[国際親善試合]日本 1-2 カナダ/11月17日/アルマクトゥームスタジアム

【日本代表・総評】

 組織だった守備を見せて8分には先制。良い試合の入りを見せたが、フィジカルを押し出すカナダに徐々に押された。失点を喫したセットプレーの守備を含めワールドカップ本番へ課題は残った。3-4-2-1で勝点を取りに行くも、試合終了間際に山根がPKを献上。大きな不安の残る幕切れとなった。

【個人採点・寸評】
GK
12 権田修一 5.5
CKとPKで2失点。PKは手で触れたが……。セットプレーの守備では高さを生かしてきた相手の攻撃に苦しんだ場面も。フィードは素早く味方に通した。
 
DF
3 谷口彰悟 5.5
声を張り上げながら最終ラインを統率。要所でよくブロックに入ったが、2失点では守備のリーダーとしては納得できないだろう。後半も相手の裏への走り込みに対しライン設定で試行錯誤したはず。

4 板倉 滉 5.5
CBで谷口と組んで身体を張った。しかし、1失点目のCKのシーンではクリアを仕切れずに裏にいた相手に合わされた。

19 酒井宏樹 5.5
インテンシティの高さを披露しながら、攻撃面では縦パスを狙う。もっとも守備で突破を許す場面があったのは修正点だろう。

28 伊藤洋輝 5.5
左SBとしてスタメン出場。マッチアップしたブキャナンとのスピード勝負には苦慮した印象。フィード力を生かそうとの意識は感じられた。後半途中からはCBへ。こちらでも裏のスペースを狙われた。
MF
7 柴崎 岳 6
キャプテンマークを巻いてボランチとして出場。8分には浮き球のパスで相馬のゴールをアシスト。後手に回るシーンもあったが、セカンドボールも回収した。後半は好フィードや山根への素晴らしいパスを通す。ただロストもあり、評価は難しいところ。

10 南野拓実 5(85分OUT)
CFの浅野らとともに前線からのディフェンスによく走った。しかしトップ下として欲しかったのはやはり攻撃で違いを作る動きだろう。なかなか好機に絡めなかった。10番として期待を込めての採点に。

11 久保建英 5.5(HT OUT)
左サイドで先発。前半の途中からはボールが回ってこない展開に右サイドにも顔を出して攻撃を構築しようと試みた。しかし、クロス精度などを欠く。結果を残せぬまま前半でベンチへ。
 
17 田中 碧 5
パスは速さ、強さを意識していることがよく窺えた。だが、彼の良さを考えればもっとできたはず。らしくないミスがあった。こちらも期待を込めての採点。

24 相馬勇紀 6.5
2列目の右サイドに抜擢されると、開始8分に後方の柴崎の浮き球のパスに走り込みながら右足でワンタッチで合わせてゴール!! アピールに成功し、守備意識も高かった。全体的に粗さは残ったが、得意の左に回った後半はより仕掛けた。あれだけ走ってくれれば心強い。日本で最も好感。

FW
18 浅野拓磨 5(HT OUT)
裏への動き出しとチェイシングで貢献しようと奮闘。だがボールロストもあり、明確な仕事をできぬまま前半で交代に。
 
交代出場
MF
8 堂安 律 5(HT IN)
後半頭からピッチへ。果敢にボールに絡もうとしたが、効果的な動きは限られたイメージ。守備では頑張ったが……。

MF
21 上田綺世 5(HT IN)
ボールを引き出そうと何度も動き出した。だが味方と呼吸が合わなかったか。連係をさらに深める必要性がありそうだ。

DF
2 山根視来 4.5(HT IN)
酒井との交代で右SBへ。守備面でよく相手に寄せたがスピードでは相手が一枚上手だったか。終盤のポスト直撃のシュートを決めていればヒーローだったが……。直後にPKを献上してしまった。
 
MF
15 鎌田大地 5.5(66分IN)
フランクフルトでも担うボランチでプレー。クラブからの移動の疲れもあったか、珍しくボールコントロールが乱れるシーンも。

DF
5 長友佑都 5.5(66分IN)
真骨頂の粘り強い守備を見せる。もっともチームの重心が下がっているなかで前には上手く出て行けず。

DF
22 吉田麻也 ―(85分IN)
3バックへの移行に伴い出場。カウンターを食らう場面が増えていたチームにあって失点は許さないようにプレーしたが、最後にPKで勝ち越された。

監督
森保 一 5
前日に明言していた通り、柴崎、田中、浅野、板倉を先発で起用。加えてコンディションの良い選手を選んだのだろう、中盤の右に久保、左に相馬とやや予想外のメンバーを並べ、相馬、柴崎の起用は当たった。一方で選択肢が限られたなかでのやりくりだっただけに評価は難しいが、流れを変える策は提示できず。最後は3-4-2-1採用も勝ち越された。ワールドカップ初戦のドイツ戦へ攻守で出た課題をどう修正するか。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト特派)

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

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