サッカー日本代表は17日、国際親善試合でカナダ代表と対戦し1-2で敗れた。
先制したのは日本だった。9分、MF柴崎岳が中央から送った浮き球のパスに抜け出したMF相馬勇紀が相手GKの鼻先でボールに触り、シュートをゴールへ流し込んだ。
右サイドでプレーした相馬は、森保一監督の先発起用に一発回答。「背後は狙っていけたらいいなと思っていたので、それが最初のプレーだった。得点につながってよかったと思います」とゴールを喜んでいた。
柴崎からのパスを引き出す一瞬の動き、それを見逃さなかった柴崎の視野の広さとアイディア、そして技術といった複数の要素が噛み合ったファインゴールだった。「岳さんの特長はわかっていたので、練習から『狙います』と話をしていた。マッチできてよかったと思います」と、相馬にとっても手応えの大きい1点だったようだ。
「パスを出せる選手が(ボールを)置いた瞬間がチャンス。そこの一瞬の動き出しは自分の瞬発力が持ち味で、もっと狙っていけたら」
少数派となっている国内組の1人で、背番号「24」からも分かる通り、日本代表のメインキャストではない。ただ、慣れないポジションに入りながらワンプレーで結果を残し、まもなく開幕するカタールワールドカップに向けて存在価値をアピールすることができた。
「どの選手も最初は経験がなくて、経験を積んでいくもの。こういったところで、こういった形で得点が狙えることがわかったのは収穫です。ただ、やっぱり試合をしっかり締め切る部分で、まだまだ。これが本大会だったら……ということもあるので、今日また経験が積めたかなと思います」
日本代表は後半アディショナルタイムにPKを与えてしまい、カナダ代表に敗れた。チームの試合結果やスコアによって前向きな要素が見逃されがちだが、相馬がワールドカップに向けて大きな可能性を示したことは大きな収穫と言っていいだろう。
それでも本人は「まだまだパフォーマンスが良いわけではないので、もっと謙虚に今日やれたことと、ダメだったところをしっかり修正して、もっと進化していけたら」と地に足をつけている。
終盤は4-2-3-1から3-4-3へのシステム変更にともない、2シャドーの一角に入った相馬。これまでの左サイドのみならず、右サイドや中央でのプレーにも十分に対応できることを証明した。そのうえでセットプレーのキッカーとしても精度の高いボールを何度も供給するなど、活用の幅はかなり広がった。カタールワールドカップ本番でも、ピッチに立つチャンスは大きくなっているだろう。
「とにかくまずはゴールを取ってチームを勝利に導く。そして、守備でもハードワークして戦うところはベースとしてやっていけたらなと思います」
いついかなる時も謙虚かつ献身的な25歳は、カタールの地でワールドカップのベスト8進出を目指す日本代表の起爆剤となるか。世界は相馬の真のポテンシャルをまだ知らない。
(取材・文:舩木渉)
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