サッカー日本代表は17日、国際親善試合でカナダ代表と対戦し1-2で敗れた。

　後半の66分から途中出場したMF鎌田大地は「戦術どうこうよりも、今日はデュエルのところで負けている回数が多かった」と危機感を募らせていた。

　負傷明けのMF田中碧との交代でピッチに立った鎌田は、MF柴崎岳とダブルボランチを形成。これまでもトップ下ではなく、所属するアイントラハト・フランクフルトと同じ3列目のポジションで起用された。

「攻撃はもちろん、自分がボール持ったら失わないようにと思っていましたけど、それよりも守備が今日はうまくいっていなかった。暑かったし、後半に関しては迫力もなかった。自分はまだ動けていたので、相手がボール持ったら強めにプレスにいこうかなと」

　鎌田が入った途端に中盤が引き締まり、ボール奪取からチャンスメイクまでがよりスムーズに。改めてフランクフルトでの好調ぶりを証明するだけでなく、チームに足りていなかった「強度」を注入して見せた。

　終盤には4-2-3-1から3-4-3にシステムが変更される中、背番号15は柔軟に対応してチームの核に。そのうえで「間違いなく自分たちの方がいい選手が揃ってると思うし、球際の部分で負けると戦術どうこうじゃなくなってくる。もっと自分たちの方が上だと証明しないといけない」と指摘する。

　23日に迎えるカタールワールドカップのグループステージ初戦で、日本代表はドイツ代表と対戦する。2大会前の王者との対戦は、確実にカナダ代表戦よりもはるかに厳しい戦いになるだろう。

　個々のクオリティで日本代表を凌駕するドイツ代表を相手にすれば、守勢に回る時間が長くなると予想される。自然と緊張感も強度も高くなる展開では「やっぱり自分たちがデュエルにいくところは、責任感を持って強くあたりにいかないといけない」と、鎌田は強調した。

「戦術も大事だと思いますけど、個々のデュエルはすごく大事になってくる」

　鎌田が3列目のボランチとして輝けるのは、ブンデスリーガという環境で揉まれ、プレー強度を飛躍的に高めたから。ドイツ代表を打ち破るには、カナダ代表戦で浮き彫りになった課題をいかに短期間で改善できるかが鍵になりそうだ。

　意識の変化だけでもプレーの強度を高めることはできる。鎌田は今の日本代表において重要な基準を提示する選手の1人になった。

（取材：元川悦子、文・構成：編集部）

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