日本代表がカタール・ワールドカップ前最後の強化試合でカナダ代表に敗れたニュースは、韓国でも広く報じられている。

「“死の組”日本、最後の評価戦でカナダに敗北」(通信社『NEWSIS』)
「“終了直前PK失点”日本、カナダに1-2逆転負け」(総合メディア『news1』)
「“不安な”日本、最終評価戦でカナダに1-2逆転負け」(経済紙『ファイナンシャルニュース』)
「試合終了30秒を残して沈没した日本」(経済メディア『亜洲経済』)

 なかでも、ネットメディア『THE FACT』は「日本は前半8分、相馬がカナダのゴールネットを揺らしてリードしたが、前半21分にコーナーキックの状況で同点を許し、試合終了直前にPKで逆転ゴールを奪われ、ほろ苦い“模擬試験”を終えた。グループEの日本は16強進出へ厳しい3試合を戦う見通しだ」と試合を総括。

 同じくネットメディアの『スポーツ韓国』も、「7大会連続でW杯に出場する日本が、9大会ぶりにW杯に臨むカナダの前に崩れた。グループステージで“強豪”スペインやドイツと戦わなければならない日本としては非常事態になった」とし、直前試合での敗北を憂いだ。

 また、「日本の逆転負けトラウマ、ベルギー戦の悲劇以降初めて…“なぜ今”」と見出しを打ったスポーツ&芸能メディア『スポータル・コリア』のように、前回のロシア・ワールドカップ決勝トーナメント1回戦ベルギー代表戦以来の逆転負けに着目する見方も。
 
 特に、サッカー専門メディア『Best Eleven』は「最終評価戦で逆転負けを喫した日本、4年前のベルギー戦が思い出される?」と題し、「日本は4年前、ベルギー戦で乾貴士の大活躍に支えられ、優勝候補ベルギーを脱落寸前まで追い詰めた。だが、嘘のように3ゴールを奪われ崩れてしまった。ベスト8進出を目ざす日本サッカー界にとって、この日の敗北は一種のトラウマとして残っているほどだ」と綴っていた。

 それでも、本大会で日本代表の善戦を期待するメディアもある。例えば、日刊紙『ハンギョレ新聞』は、グループステージ注目試合の一つに日本代表対ドイツ代表を挙げると、「宿敵・日本が繰り広げる“苦難の行軍”が始まるという点で興味深い。韓国がロシアW杯でドイツを破った記憶もあるだけに、当時の試合と比べてみるのも楽しい」とし、次のように試合を展望した。

「意外と日本が善戦する可能性もある。両国のFIFAランキングはドイツが11位、日本が24位だ。ロシアW杯当時、ドイツは世界1位だった。無敵に近かった4年前よりは地位が落ちた。一方、日本は選手構成が歴代W杯のなかで最高水準であり、死の組でなければ十分にベスト8入りも可能だったと評価されている。ただ、試合の重心がドイツに傾いているのは確かだ」

【W杯PHOTO】日本 1-2 カナダ|試合終了間際に痛恨のPK献上...W杯前最後の試合はカナダに逆転負けを喫す
 
 一方、グループHの韓国代表は、キャプテンのソン・フンミンが最後の26人目として合流し、全選手で本大会に向けた準備を進めている。眼窩骨折で手術を受けたソン・フンミンはフェイスガードを着用して練習に参加しているが、試合の出場可否は明かされておらず、欠場を懸念する声もある。
 
 それでも、スポーツ紙『スポーツソウル』は「ソン・フンミンの合流だけで、韓国代表は大きなプラスだ。彼は昨季プレミア得点王であり、今年のバロンドールでは11位だった。韓国サッカーの歴史を振り返っても、これほどの存在感を誇示する選手はいない。そのような選手が合流することで、同僚が感じる安定感は単純な言葉では言い表わせられない」と、絶対的エースの存在がもたらすポジティブな影響力を伝えていた。

 いよいよ開幕するカタール・ワールドカップ。自国代表はもちろん、隣国の日本がどこまで勝ち進むことができるのか、韓国メディアやサッカーファンも注目しているはずだ。

構成●ピッチコミュニケーションズ