日本代表FW上田綺世(サークル・ブルッヘ/ベルギー)が、FIFAワールドカップカタール2022開幕前最後となった強化試合を振り返った。

 20日に開幕を迎えるカタールW杯に向けて調整を進める日本代表。現地時間17日には、同じくW杯出場国であるカナダ代表との国際親善試合を行った。試合は8分にMF相馬勇紀のゴールで日本が先制に成功。しかし、21分にセットプレーから同点に追いつかれると、後半アディショナルタイムには痛恨のPK献上から勝ち越しゴールを許し、1-2で逆転負けを喫した。

 浅野拓磨との交代で後半開始からピッチに立った上田。屈強なカナダDFを相手に最前線で体を張り続け、効果的なポストプレーで日本の攻撃を活性化させた。試合を振り返り「強度は高いと感じましたが、その中でもできることはありました。強度の高い環境で普段からプレーしているので、今日のプレーに関しても鹿島アントラーズにいた頃と比べると『できたな』という実感はありました。手応え自体は悪くないです」とパフォーマンスへの手応えを口にしつつ、自身が感じた課題点について次のように語った。

「FWの本質はゴールを奪うことなので、あの1-1の状況でどうやって得点に結びつけるかということはこだわらなくてはいけないと思います。視来くん(山根視来)のシュートのこぼれ球も、今日は自分のところに来ませんでしたが、そういうのを決めていけるのが結果を残せる選手だと思うので。自分でミドルを打つのもそうだし、数少ない相手陣地でのプレーをシュートまで持っていく。そういった展開にするのはもう少しできたんじゃないかと思います。もっとシュートを打たないといけないですし、もう一回り必要だなっていうのは感じました」

 グループステージ初戦のドイツ戦までは残り5日程となった。決勝トーナメント進出、そしてベスト8到達という目標達成のためにもヨーロッパ屈指の強豪相手に勝ち点を獲得することが求められる。ドイツ戦に向けて上田は「今日より技術が高くて、強い相手との対戦になるので、(プレスに)行くのか、行かないのかもそうだし、ピッチ内で情報を共有するのは必要になるかと思います。観客がもっと入れば聞こえなくなってくるのがありますけど、僕を含めて交代選手が入ったときに、ちょっと噛み合わなくなっているというのはあると思うので。戦術を統一する、やることを合わせることはもっと必要かなと思います」

 未だA代表ではゴールがない上田。しかし、所属クラブでは困難な時期がありながらも、徐々に流れを引き寄せゴール量産へと繋げていった実績がある。「積み重ねてきたものが活きている実感はあるので、それを結果に結びつけられたら良いなとは思います。最低限チームの状況に合わせて必要なことがしたいですね」と意気込みを示した。