前線でターゲットになれる存在だ

日本代表は17日にカナダ代表と対戦。遠藤航、守田英正、冨安健洋、三笘薫と4人の主力が試合に参加しなかったこともあって攻守両面で課題が見つかった試合となった。スコアは1-2で敗れており、逆転負けはW杯・ロシア大会でのベルギー戦以来だという。

テストゲームということもあって森保一監督は6つの交代枠をフルに使っている。ベンチ入りしたほとんどの選手を起用し、使われなかった前田大然や伊東純也はグループステージ初戦ドイツ戦での先発が予想できる。

このカナダ戦で存在感を示した選手は何人かいて、その一人が上田綺世だろう。

今季からベルギーのサークル・ブルージュでプレイするストライカーで、新天地では欧州初年度ながらここまで7ゴールとチーム内得点王として攻撃陣をけん引している。

そんな上田はカナダ戦後半から起用された。ポジションは最前線で、守備で足を動かし攻撃面では前線でターゲットとなる。182cmと海外で見るとそれほど大きなセンターフォワードではないが、上田はボールを収めることができる。55分の場面は分かりやすく、後方から供給されたルーズなパスでも上田は相手を背負って自分の足元に収めており、相手はたまらずファウルしている。これだけで日本としては大きな陣地回復となる。

さらにその直、上田はディフェンスラインの裏への飛び出しを見せている。相手はこのプレイに対しユニフォームを引っ張って対応するしかなく、日本代表は良い位置でFKを獲得している。

前半の浅野拓磨は負傷明けでコンディションに問題を抱えていたといえるが、カナダ戦のパフォーマンスであれば上田を今後も使うべきだ。普段からベルギーで戦っていることもあってよりフィジカル面で強さを見せており、強力なターゲットマンとしてチームに貢献している。

「絶好のポジションで南野のシュートをお膳立て。攻撃中にファウルを受けたりと、軸となる良いプレイを見せた。ただゴールを奪うことはできなかった」

ブラジルメディア『ge.globo』からの上田に対する評価は高く、ゴールを決めた相馬勇紀、鎌田大地に次ぐ高評価だ。得点とはならなかったが、随所で良いプレイを見せており、CF内での序列は上がったはずだ。

大迫勇也不在ということもあって前線のターゲットマンがいなかったサムライブルーだが、頼れる大黒柱が成長を続けている。