サッカー日本代表のDF吉田麻也は19日、オンラインで取材に応じてカタールワールドカップ初戦に向けて意気込みを語った。

 17日にUAEでカナダ代表との国際親善試合を終えた日本代表は、すぐにカタールへ戻って、18日のチーム練習はオフに。カナダ戦を欠場した一部の選手のみが個別トレーニングで汗を流した。ドイツ代表と対戦するグループステージ初戦まで準備に残された時間は1週間足らずしかない中で、吉田は「昨日はあえてサッカーの話はしていないです」と明かす。

「昨日しか休みがなかったので、1回みんなにリフレッシュして欲しいなという気持ちもあって。今日からまたやっていこうかなという思いです」

 体調不良でカタール到着が遅れていたFW三笘薫も17日にチームへ合流。ようやく26選手全員がドーハに揃い、吉田は「(カナダ戦に)出ていない選手と出ていた選手のすり合わせは大事だと思っているので、ここから4日間でそこを詰めていかなければいけないし、同時に相手の分析をして、相手のやり方にしっかりアジャストしていかなければいけないと思っています」と述べた。

 23日のグループステージ初戦で日本代表と対戦するドイツ代表は、16日にオマーン代表と国際親善試合を行なって1-0で勝利を収めた。その試合をチェックしたサムライブルーのキャプテンは「けが人が出ていて、おそらくセンターFWが定まっていない、誰を使うか決めかねているところなんじゃないか」という印象を語った。

 オマーン戦ではボルシア・ドルトムントに所属する17歳のFWユスファ・ムココが4-2-3-1の1トップでドイツ代表デビューを飾った。そして、ムココに代えて後半開始から投入されたFWニクラス・フュルクルクもドイツ代表初出場となり、80分に奪った代表初ゴールが決勝点になった。

 けが人が出ているとはいえ、ワールドカップ直前のテストマッチで2人のストライカーがA代表デビューというのは、ドイツ代表らしからぬ状況だ。

 日本代表にとっては相手の出方が読めずゲームプランを作るのが難しくなるが、より警戒すべきは若いムココよりも身長189センチ体重83キロの巨躯を駆るフュルクルクの方だろう。

 ブレーメン所属の長身ストライカーとシャルケの一員として対戦経験のある吉田は「僕らも失点していますけど、体も強いし、フィニッシュはほとんどワンタッチかなと。ペナルティエリアの中で勝負するタイプだなと思います」と、その印象を述べる。

「(トーマス・)ミュラーなど、同時にけが人が何人かいて、オマーン戦はスタメンで出る園主とそうじゃない選手を混ぜてきた感じでした。純粋に『オマーン戦でこうだったからこうだ』というのはなくても、『ある程度こんな感じでくるんだろうな』という想像はしています。こんな感じというか、こうかもしれない、ああかもしれない、という妄想をしていますね」

 シャルケでの経験も踏まえながら、フュルクルクをいかに止めるかイメージはできてきていることだろう。ただ、ドイツ代表で危険な選手は巨漢ストライカーだけではなく、名前を挙げればキリがないほどだ。吉田の「一瞬の隙も見逃さないように」という言葉の通り、細部に至るまで準備を突き詰めなければ勝ち点1すらももぎ取れなくなってしまうだろう。

(取材・文:舩木渉)

英国人が見たサッカー日本代表対カナダ戦「久保建英の意図は…」「ドイツ戦の1トップは…」
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