120分間で負けはしなかった。それだけに、PK戦の末に敗退という悔しさは大きい。

 森保一監督率いる日本代表は12月5日、カタール・ワールドカップのラウンド・オブ16でクロアチアと対戦。前半終盤に前田大然のゴールで先制するも後半に追いつかれると、PK戦で南野拓実、三笘薫、吉田麻也が失敗して敗れた。

 ルカ・モドリッチを擁するクロアチアは、前回大会の準優勝国だ。それだけに、日本不利との下馬評だったが、今大会でドイツとスペインを撃破した森保ジャパンはクロアチアを苦しめた。

 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は、試合レポートで前半について、「モドリッチは躍動せず、ヨシップ・ユラノビッチとボルナ・バリシッチには限界があり、攻撃ではアンドレイ・クラマリッチとブルーノ・ペトコビッチが存在していなかった」と報じている。

「これで日本は勇気を得てプッシュし、終盤に混戦から得点。パオロ・ロッシ流にマエダが決めた」
 
 後半に同点となってからも、同紙はクロアチアが「支配的ではなかった」と指摘。一方で、「モリヤスのいつもの交代がシナリオを変えることもなかった」と、ドイツ戦やスペイン戦のように、指揮官の交代策で日本が勝利を引き寄せることもできなかったと伝えている。

 また、同紙は、クロアチアには日本より経験があり、ヨシュコ・グバルディオル、イバン・ペリシッチと、攻守で違いをつくる選手がいたと指摘。そのうえで「魅了することはなかった。やや単調で、危険をつくるのにあまりにも苦しんだ」と報じた。

「日本のほうが面白かった。だが、常に具体的ではなかった」

 迎えたPK戦、日本は4人中3人が決められなかった。立ちはだかったのは、クロアチアのGKドミニク・リバコビッチだ。

『Gazzetta dello Sport』紙は、「日本は打ちひしがれている。信じていたからだ。彼らがやり遂げていたとしても、何かを奪ったとはならなかっただろう。だが、PK戦ではひどかった」と伝えている。

「PK戦で東洋の冷静さを持っていたのは、ゴールマウスに怪物もいたクロアチアだった」

 リバコビッチ、そしてベスト16の壁を越えることができなかった日本。アメリカ、カナダ、メキシコの3か国共同開催となる2026年大会に出場し、悲願のベスト8進出を目ざす。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
【W杯PHOTO】まさにスタジアムの華! 現地入りしたワールドクラスたちの妻、恋人、パートナーら“WAGs”を一挙紹介!