宿泊施設「ファンビレッジ」の金額に見合わない劣悪な環境&設備が明らかに

 カタール・ワールドカップ(W杯)が現地時間11月20日に開幕したなか、今大会に訪れるファン向けに建てられた宿泊施設に酷評の声が相次いでいる。あるファンは、2500ポンド(約40万円)を宿泊費としてつぎ込みながらも設備、環境に嫌気がさし、滞在をキャンセルするに至ったという。

 各国のファン向けに用意された宿泊施設「ファンビレッジ」は、テント型やコンテナ型のものがカタール国内に8か所あり大会期間中、世界各国から訪れるファンが利用する予定となっている。宿泊費は1泊2~3万円とされているなか、この金額に見合わない劣悪な環境と設備が話題になっている。

 ドーハの北にある「ファンビレッジ」はいまだ建築作業が続いており、ファンの期待にそぐわないものになっているようだ。英紙「ザ・サン」は「“耐えられない”W杯ファン、カタールのファンビレッジに2500ポンドも費やし、茶色い水を飲まされ、嫌気がさして立ち去る」と見出しを打ち、英公共放送「BBC」が捉えた1つの映像に注目している。

 その映像では、「ファンビレッジ」へ宿泊予定だった各国のファンが、劣悪な環境と設備を目の当たりに滞在をキャンセルする様子が収められている。フランスから来たあるサポーターは1泊175ポンド(約3万円)の宿に2500ポンドを費やしたにもかかわらず、滞在をキャンセルすることを決めたという。

 そのファンはBBCに対し「これでは良い経験にはならない。予約書にはホテルと書いてある。ビレッジではない」と、不満を吐露。また、メキシコのファンであるペドロさん、ファティマさんは、いまだ建設が進んでいること、水が汚れている事実に嫌気がさし、落胆ぶりを露わにした。

「ネットで写真を見た時、楽しいアイデアだと思ったし、クールな雰囲気だと思った。でも実際に来てみると、その印象はあまり良いものではありませんでした。テントはとても厚いプラスチックでできていて、とても暑いんです。中にいるのは耐え難いほどです。水は茶色いので、あまり美味しくありません。水筒の水で歯を磨きましたが、それはこちらの水より綺麗だったからです」

「ザ・サン」紙の記事によると、入居者には2つのベッドと扇風機が入ったテントが与えられるが、エアコンは付いておらず、セキュリティーとして南京錠が渡され、トイレとシャワーは共用だという。高額な宿泊費を支払ったファンをあざ笑うかのように、ずさんな設備、環境が明らかになったカタールW杯の「ファンビレッジ」は、今後もさらに波紋を広げそうだ。(FOOTBALL ZONE編集部)