FIFAワールドカップカタール2022・グループC第1節が22日に行われ、アルゼンチン代表とサウジアラビア代表が対戦した。
5大会連続のW杯参加となるリオネル・メッシをはじめ、充実の戦力を揃えて36年ぶり3度目の優勝に挑むアルゼンチン代表。対するサウジアラビア代表は、28年ぶり2度目の決勝トーナメント進出に向けて、オール国内組で約1カ月間準備を積み重ねてきた。
開幕節でアジア勢の苦戦が続くなか、サウジアラビア代表はコンパクトなライン設定で試合に入る。立ち上がりは順調に見えたが、序盤に痛恨のミスでアルゼンチン代表の先制を許してしまう。コーナーキックの守備の際、モハメド・カンノがマンマークでついていた相手選手を倒してしまい、PK献上。キッカーを務めたメッシは冷静に相手GKの逆を突き、ゴール左下へと流し込んだ。
その後もハイラインを維持するサウジアラビア代表の裏を狙うアルゼンチン代表は、22分にメッシ、27分と35分にラウタロ・マルティネスが相手の背後を取ってゴールネットを揺らす。しかし、いずれもオフサイドを取られて得点は認められない。
前半終了間際、サウジアラビア代表にアクシデントが発生する。前半途中に筋肉系トラブルで一度治療を受けていたサルマン・アル・ファラジがプレー続行を断念。エースに代わり、ナワフ・アル・アベドが投入された。
1点ビハインドで折り返したサウジアラビアは、48分に数少ないチャンスを生かして試合を振り出しに戻す。ピッチ中央で人数をかけてボールを奪い、素早く前方につなぐ。ラストパスを受けたサレー・アル・シェフリは、対峙したクリスティアン・ロメロをかわすと、ペナルティエリア左で左足を振り抜き、ゴール右下へと流し込んだ。
勢いに乗ったサウジアラビア代表は53分、逆転に成功する。ペナルティエリア内でルーズボールを回収したサレム・アル・ドサリは、相手DFに囲まれながらも粘り強くボールをキープ。密集を突破すると、ペナルティエリア左で右足を振り抜き、ゴール右上へと突き刺した。
追いかける展開となったアルゼンチン代表は前線の人数を増やして攻勢を強める。84分には右からのクロスにメッシが合わせるが、ヘディングシュートは相手GKモハメド・アル・オワイスに防がれた。
アルゼンチン代表が攻めあぐねるなか、後半アディショナルタイムにサウジアラビア代表で再びアクシデントが発生する。ヤセル・アル・シャハラニが飛び出してきたGKアル・オワイスと激しく接触。味方の足が顔面に直撃して地面に叩きつけられた。幸いにもアル・シャハラニの意識ははっきりしていたものの、脳しんとうの疑いがあるとして担架で運び出され、モハメド・アル・ブレイクと交代した。
試合はこのまま終了し、グループCはサウジアラビア代表が優勝候補を相手に番狂せを起こす波乱の幕開けとなった。逆転負けを喫したアルゼンチン代表は、2019年7月3日のコパ・アメリカ2019準決勝ブラジル代表戦以来、37試合ぶりの敗戦となった。
次節は26日に行われ、アルゼンチン代表はメキシコ代表、サウジアラビア代表はポーランド代表と対戦する。
【スコア】
アルゼンチン代表 1-2 サウジアラビア代表
【得点者】
1-0 10分 リオネル・メッシ(アルゼンチン代表)
1-1 48分 サレー・アル・シェフリ(サウジアラビア代表)
1-2 53分 サレム・アル・ドサリ(サウジアラビア代表)
【スターティングメンバー】
アルゼンチン代表(4-2-3-1)
エミリアーノ・マルティネス;モリーナ、ロメロ(59分 リサンドロ・マルティネス)、オタメンディ、タグリアフィコ(71分 アクーニャ);デ・パウル、パレデス(59分 エンソ・フェルナンデス);ディ・マリア、メッシ、パプ・ゴメス(59分 アルバレス);ラウタロ・マルティネス
サウジアラビア代表(4-2-3-1)
アル・オワイス;アブドゥルハミド、タムバクティ、アル・ブライヒ、アル・シャハラニ(分 アル・ブレイク);アル・マルキ、カンノ;アル・ブライカン(89分 アシリ)、アル・ファラジ(45+4分 アル・アベド、89分 アブドゥレラー・アル・アムリ)、アル・ドサリ;アル・シェフリ(78分 スルタン・アル・ガナム)