連日にわたって熱戦が繰り広げられているFIFAワールドカップカタール2022はベスト8が出揃った。優勝候補と目されるブラジル代表やアルゼンチン代表が順当に駒を進めた一方で、クロアチア代表やモロッコ代表は激闘を制してしぶとく8強に名を連ねている。ここでは、これまでの戦いを分析して数値化し、戦術やフォーメーションを紹介する。※「攻撃」「守備」「選手層」「勝負強さ(≒采配、戦術)」の4項目を25点満点で評価し、合計点で順位を決定。

戦力値ランキング:3位(90)
戦力値:攻撃23/守備23/選手層21/勝負強さ23
監督:リオネル・スカローニ
FIFAランキング:3位

▽今大会成績
第1節:対サウジアラビア(●1-2)
第2節:対メキシコ(〇2-0)
第3節:対ポーランド(〇2-0)
ラウンド16:対オーストラリア(〇2-1)

 初戦でサウジアラビア代表に敗れたのは予想外だったが、その後は実力通りの結果で準々決勝に駒を進めている。4バックで試合をスタートさせるが、中盤の形は相手に応じて変化させる。試合途中から3バックにすることも多く、柔軟な対応でゲームの主導権を渡さない。

 リオネル・スカローニ監督は試合ごとにメンバーを大きく変える。センターバックはニコラス・オタメンディ、リサンドロ・マルティネス、クリスティアン・ロメロで回し、サイドバックはマルコス・アクーニャとゴンサロ・モンティエルがファーストチョイスで、ニコラス・タグリアフィコとナウエル・モリーナが控える。

 ロドリゴ・デ・パウルは4試合すべてに先発しており、中盤におけるトランジションの重要人物となる。サイドにはアレハンドロ・ゴメスとアンヘル・ディ・マリアを配し、リオネル・メッシは浮遊することでギャップを生み出す。

 南米予選で得点源だったラウタロ・マルティネスが今大会は不調だが、フリアン・アルバレスが2試合連続ゴールと調子の良さを見せている。メッシが4試合3得点と結果を残しているのもチームにいい影響を与えている。

 南米予選と同様に、強度の高い守備で試合の主導権を握る。ここまで1試合で3得点以上奪った試合はないが、4試合で3失点と大崩れしない守備が今大会でも光る。

▽GK
エミリアーノ・マルティネス

▽DF
ゴンサロ・モンティエル
クリスティアン・ロメロ
ニコラス・オタメンディ
マルコス・アクーニャ

▽MF
ロドリゴ・デ・パウル
エンソ・フェルナンデス
アレクシス・マック・アリスター

▽FW
アンヘル・ディ・マリア
リオネル・メッシ
フリアン・アルバレス