エルヴェ・ルナール監督の手腕に注目

 サウジアラビア代表は11月22日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)のグループステージ第1戦で強豪アルゼンチン代表に2-1で逆転勝利。世界が驚く金星を挙げた。勝利に導いたエルヴェ・ルナール監督の手腕が絶賛されている。

 サウジアラビアは前半から最終ラインを高く保つアグレッシブなスタイルで試合に臨んだ。前半10分にはファウルでPKを献上し、これをメッシに決められて先制を許したが、その後も果敢な姿勢でアルゼンチンに立ち向かった。

 すると0-1で迎えた後半3分、高い位置でボールを奪ってショートカウンターを仕掛け、FWサレハ・アルシェハリが同点ゴール。さらに同8分にはMFサレム・アルドサリのミドルシュートで一気に逆転。GKムハンマド・アルオワイスの再三のファインセーブもあり、1点のリードを守りきった。

 強力な攻撃陣を誇るアルゼンチンを相手に引いて守るのではなく、真っ向からぶつかり合うことを選んだルナール監督。その決断がチームに大きな、大きな白星をもたらした。ザンビア代表やコートジボワール代表で結果を残してきたその手腕にスポットライトが当てられる結果となった。

 米スポーツメディア「ESPN」のツイッターアカウント「ESPN FC」は試合終了直後に「2012年にザンビアでアフリカネーションズカップ優勝」「2015年にコートジボワールでアフリカネーションズカップ優勝」という2つの実績に「2022年W杯でサウジアラビアがアルゼンチンを下したサプライズの勝利を導いた」と今回の結果を並べ、「戦術の天才が理解される時が来た。それがエルヴェ・ルナール監督だ」と称賛した。

 稀代の戦術家として知られるフランス人指揮官が率いるサウジアラビアは今大会の台風の目となるかもしれない。(FOOTBALL ZONE編集部)