ノッティンガム・フォレストのウェールズ代表DFネコ・ウィリアムズは、非常に難しい精神状況でワールドカップデビュー戦を戦っていた。イギリス『ガーディアン』が伝えている。

ウェールズは21日、カタールW杯グループB第1節でアメリカ代表と対戦し、1-1のドローで初戦を終えた。

同国にとって64年ぶりのW杯ということもあり、百戦錬磨のFWガレス・ベイルを含め、多くの選手がW杯デビュー戦となった。

その中で試合前の国歌斉唱の段階から目を潤ませるなど、エモーショナルな反応を示していたウィリアムズだが、その背景には試合前日の祖父の訃報というチームメイトとは異なる複雑な理由があった。

ウィリアムズは同試合後、試合前日に母親から祖父で元フットボーラーでもあったケルヴィン・ジョーンズ氏が逝去したことを伝えられていたことを明かした。

なお、2度の足首骨折で選手としては大成できなかったジョーンズ氏だが、孫であるウィリアムズの才能にいち早く気が付き、キャリアの節目において常に適切な助言を与えてくれていたという。

「これまでで最もつらいニュースだったよ」

「祖父は僕が6歳で初めてリバプールでプレーを始めたときから、世界中のどこにいても僕がフットボールをするのを見てきた。彼は僕が良い試合をしたかどうかを決して教えてくれなかったんだ。彼はいつも僕が毎日どんどん良くならなければならないと言っていて、そのおかげで僕は今ここにいるんだ」

「だから、この試合のすべてを祖父に捧げるよ。なぜなら、彼は天国でとても誇らしく僕を見守ってくれていると思うからさ。愛する人たちと一緒に持っているものを大切にしてほしい。それはいつ奪われるかわからないからね」

「一日中泣いていた状態から、ワールドカップの試合に出場するのはとても大変だったけど、チームメイトや家族の支えで乗り切ることができたよ」

愛する祖父に64年ぶりのW杯勝利を捧げることはできなかったウィリアムズだが、この試合では左ウイングバックのポジションで積極果敢な攻撃参加や強度の高い守備で奮闘。また、過去に両足のキックを練習するように助言を受けていた中、利き足の右足だけでなく正確な左足のキックでも惜しい場面を演出していた。