64年ぶり出場のウェールズはグループB最下位で敗退

 ウェールズ代表はカタール・ワールドカップ(W杯)でグループリーグ3試合を1分2敗で終え、B組最下位で敗退した。同国きってのスタープレーヤーFWギャレス・ベイルにとって初の大舞台だったが、その挑戦は早々に終戦を迎えた。

 ウェールズがW杯に出場するのは1958年のスウェーデン大会以来64年ぶり。当然ながら今回出場した選手は全員が初出場だった。そのなかで国民の期待を背負ったのがベイルだ。同国の歴代最多出場と最多得点記録を持つレフティーは、チームのキャプテンとしてこの大舞台に臨んでいた。

 ベイルは初戦のアメリカ代表戦(1-1)でPKを決めてW杯初ゴールを挙げたが、その後の2試合は沈黙。特にイングランドとの第3戦はボールに絡むことすらほとんどできず、ハーフタイムで途中交代となっていた。近年、欧州選手権では躍進していたウェールズだが、このカタールW杯は1分2敗と勝ち星がないまま敗退となった。結局、チームとしても得点はベイルのPK1点のみだった。

 スペイン紙「マルカ」はレアル・マドリードでUEFAチャンピオンズリーグ5度の制覇を経験した男の早期敗退を悲しげに伝えていた。

「アメリカ戦でPKを決めた以外は、元レアル・マドリードの選手とって静かなW杯だった。ベイルほどの才能を持った選手がほとんど注目されることなくW杯を終えた。とても悲しいことだ」

 近年はレアルで徐々に出番を失い、2020-21シーズンは古巣トッテナムにレンタルに出された。1年で復帰したが、その後も出場機会はほとんどなく、今年6月にはアメリカのロサンゼルスFCに移籍していた。

 年齢を考えても、これがベイルにとって最初で最後のW杯となる可能性は極めて高い。このウェールズの敗退は一時代の終わりを告げる出来事となるのかもしれない。(FOOTBALL ZONE編集部)