サウジアラビア代表を率いるエルヴェ・ルナール監督が、22日に行われたFIFAワールドカップカタール2022・グループC第1節アルゼンチン代表戦を振り返った。同日、イギリス紙『デイリー・メール』が伝えている。
今大会に出場する32カ国の中で、FIFAランクが下から2番目のサウジアラビアはグループC第1節で、“優勝候補の一角”アルゼンチンと対戦。サウジアラビアは試合開始早々に失点し、その後もFWリオネル・メッシらを擁するアルゼンチンの攻撃陣の前に、守勢に立たされる。それでも、1点のビハインドで前半を折り返した同国代表は後半、W杯の歴史に残る“ジャイアントキリング”を起こす。後半立ち上がりにFWサレー・アル・シェフリが同点ゴールを挙げると、さらに5分後にMFサレム・アル・ドサリのゴラッソで逆転に成功。このまま試合は2-1で終了し、サウジアラビアは、アルゼンチンから歴史的勝利を挙げた。
まず、ルナール監督は「空に輝く星が、同じ線上に並ぶことがあるんだ」と叙情的に語りつつ、「今日は我々にとってそうだった。アルゼンチンは素晴らしいチームだ。驚くべきほどのトッププレーヤーを擁しているが、フットボールでは時に全く不思議なことが起こる」と胸中を明かした。
さらにルナール監督は、選手たちが優勝候補相手に披露したパフォーマンスを絶賛。キレのある動きを見せていたことを「リードしている時の選手たちは、まるで空を飛んでいるようだ」と喩え、「これからはずっと肩に乗って、靴は床に置いておくように言っておくよ(笑)」とウィットに富んだ発言をした。
第1節終了時点で、グループC首位に立ったサウジアラビア。28年ぶりの決勝トーナメント進出に向けて、ルナール監督は「次はFIFAランク16位のメキシコと、最終節で最高峰のストライカーを擁するポーランドと対戦する。これは本当に素晴らしいこと。サウジアラビアのフットボール史に新たな1ページを刻んだ。このことは永遠に残るだろうけど、我々は前にも目を向ける必要がある。まだ2試合あるし、何が起こるかわからない。初戦で負けても世界チャンピオンになった事例もあるからね」と喜びに浸りつつも、気を引き締める姿勢を示している。
アルゼンチン代表から挙げた“大金星”を受けて、サウジアラビア国内では23日が祝日になった模様。国民の期待がより一層強まったが、サウジアラビア代表の快進撃はどこまで続くのだろうか。