守備的MFとしてチームに安定感を与える

アルゼンチンの優勝で幕を閉じたFIFAワールドカップ・カタール大会。決勝戦後にはリオネル・メッシが大会MVPを、エミリアーノ・マルティネスがゴールデングローブ賞を獲得した。

最優秀若手選手賞を受賞したのは、メッシやマルティネスと同じくアルゼンチンのMFエンソ・フェルナンデスだった。クロアチアのヨシュコ・グヴァルディオルも素晴らしい活躍だったが、E・フェルナンデスが上を行った。

E・フェルナンデスは中盤の選手であり、アルゼンチ代表としてはこのW杯・カタール大会で躍進した選手だ。敗れたグループステージ初戦サウジアラビア戦では、ベンチスタートとなっており、ボランチの先発はレアンドロ・パレデスとロドリゴ・デ・パウルの2人だった。グループステージ2試合目のメキシコ戦でゴールを決めたことで、評価を高めており、3試合目のポーランド戦から決勝まですべての試合で先発している。これは大会通じて4ゴール決めたフリアン・アルバレスと同じだ。

決勝のフランス戦ではE・フェルナンデスの能力の高さが光った。120分、延長含むフルタイムを戦い、パス成功率は85%とかなり高い。地上戦でのデュエルは11勝を記録しており、タックル成功数は驚異の10回だ。E・フェルナンデスだけで10回、相手からボールを取り返したことになる。凄まじい21歳だ。

そんなE・フェルナンデスだが、大会終了後のステップアップは間違いない。現在はポルトガルのベンフィカに所属しており、レアル・マドリードやリヴァプールが獲得を目指している。契約解除金は1億2000万ユーロ(日本円にして約172億円)に設定されており、どちらのクラブが支払うのか。このW杯での活躍を見て手を挙げるクラブは増えるかもしれない。

FWのアルバレスと共にアルゼンチンを盛り上げたE・フェルナンデス。その実力は本物であり、今冬での移籍市場の動きに注目したい(データは『SofaScore』より)。