【FIFA ワールドカップ カタール 2022・グループE】ドイツ1-2日本(日本時間11月23日/ハリーファ国際スタジアム)

 本田圭佑GMが、日本代表の名を世界に知らしめるジャイアントキリングについて「歴史的な前進」と絶賛した。FIFAランキング24位の日本代表は、同11位と格上で5度目の優勝を目指すドイツ代表に前半から圧倒的に押し込まれPKによる先制点を許したが、後半は森保一監督が攻撃的な選手を次々と投入する超積極策を展開。これが功を奏して75分に途中から入った堂安律が値千金の同点ゴールを決めると、8分後の83分には同じく途中出場の浅野拓磨が豪快にゴール右上に競り合いながら決める逆転のゴール。スタジアムの大歓声の後押しもあり、ドイツ代表の猛攻を振り切り、大き過ぎる1勝を手にした。本田GMは「この勝利は、サッカー人からして言えば、予選突破するしないに関わらず、歴史的な前進です」と絶賛。勝因については、苦しい状況を打開した森保監督の采配を挙げた。

【映像】日本代表が歴史的勝利を果たしたドイツ代表戦

 スタジアム中が興奮の坩堝となる中、本田GMは試合終了直後からすぐに次の試合に気持ちを切り替えた。ドイツ代表を下すという歴史的瞬間も、次のコスタリカ戦を落とせば無駄になる。これまで何度も悔しい思いをしてきたからこそ、まだ大会が始まったばかりという気持ちを忘れなかった。それでも世界に轟く逆転勝利には「優勝国相手に、ドイツに勝つということは、ドイツからしたら一気に日本に対して今後は舐めてられへんなというのを思い知らすことができた試合じゃないですかね」と高評価。また選手たちについては「想像を超える結果を今日残してくれたわけじゃないですか。選手たちにとっても、狙っていたとはいえ出来過ぎな結果。精神的なものをコントロールすることが今後難しいですよね。言葉で言うのは簡単ですけど、しっかり詰めるつめるところは詰めて、コスタリカ戦に向けて準備してしてほしいなと思います」と、称賛と期待の言葉を織り交ぜた。

 また日本との中継で質問に答えた本田GMは改めて「僕はもう切り替えてますよ。次、スペインかコスタリカに勝たないと結局いけない。森保さんも試合後に言っていましたが、一喜一憂している場合じゃないという風に思っています。勝てましたけど内容は良いとい言えないんです。コスタリカは同じくらいの実力の相手。向こうも引いてカウンターを狙ってくる状況なので難しいんです。戦い方がまったくドイツと変わるので。今回の2点目みたいなカウンターというのが、なかなか使えないかもしれない。逆に攻めさせられちゃうということがコスタリカ戦で起こってしまうというのが、懸念しているところです」と、タイプが異なる同格の相手との対戦では、また違う苦労があると語った。

 それでも苦戦の状況を打開できた森保采配には、うなずく場面も多かった。後半からのフォーメーション変更については「前半のうちに変えることができるようになれたら、日本のレベルはもっと上がると思っています。僕らは王者ドイツみたいな相手に対して、合わせなきゃいけないサッカーを選ばざるを得ないんですよ、今の力量だと。そうなった時に前半の途中に合わせたい。でも合わせられないから、後半に合わせた。最低でもやらなきゃいけないことをやった森保さんの采配がすごかったなと思います」と、前半で修正できなかったものを後半に間に合わせ、奇跡の逆転勝ちを招いたと分析していた。
(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)
「FIFA/Getty Images」