サウジアラビアがアルゼンチン、日本がドイツに勝利

 日本代表は11月23日、カタール・ワールドカップ(W杯)グループリーグ第1戦で優勝候補のドイツ相手に2-1と見事な逆転勝ちを収めた。前日22日にサウジアラビア代表がアルゼンチン代表を2-1で破ったのに続く連日のアップセットで、中国メディアやファンの反響も大きい。

 中国版ツイッター「微博(Weibo)」でフォロワー630万人を誇るAsaikana氏は「みんな覚えているか。中国はW杯アジア最終予選で日本、サウジと同組だったんだ」と投稿。本大会でアルゼンチン、ドイツを破ったようなチームに負けたのなら仕方ない、といった論調を匂わせた。

 2001年のアジアサッカー連盟(AFC)年間最優秀選手の元中国代表DF范志毅(ファン・ジーイー)は中国版TikTok「抖音(Douyin)」の動画をアップし、「興奮している。4年前ベルギーに逆転されたチームがドイツを逆転した。元来の技術戦術だけでなく、この4年間で日本の最大の進歩は自信だと思う。サウジ、日本の勝利を見て、我々も学ばねばならない」と噛み締めるように語った。

 フォロワー17万人の苗原Mark氏は「中国サッカーが注意せねばならないのは、日本がドイツに勝ったのは波乱ではない。ちゃんとサッカーに取り組んだ結果だ」とコメント。そのほかに「サウジはサプライズだったが、それまで日本は偉大な目標に何十年も取り組み、一歩一歩進歩し、前回ロストフの14秒からドイツを逆転するに至った。だから私は日本の勝利により震撼した」という声などもあり、日本が長く地道に強化されてきたことを多くの中国人も知っている。

 長くアジアサッカーを取材する名物記者の馬徳興(マー・デーシン)氏は自身のコラムで「日本の好結果だけに嫉妬してはいけない」と言及。「日本には”匠の精神”があり、協会から現場スタッフまで着実に同じ方向に歩んできた。一方、中国サッカーは速効性ばかり求め、バブル化でその傾向は強まった。日本は川淵三郎氏が1989年から2008年の退任までの17年間、失敗や困難を乗り越えて今日がある。中国は頻繁に協会トップの交代や、W杯予選敗退、監督交代、そのたびにリセットを繰り返してきた」と、日本を羨むだけでなく学ばねばならないと強調した。

 中国サッカー関係者は、有名外国人選手や監督の招聘、ブラジル人や中国系選手の帰化、といった短絡的な解決案でなく、もっと根本的な問題を見つけねばならない。(FOOTBALL ZONE編集部)