歓喜にわいた初戦の日本vsドイツ戦で、後半12分から左ウイングバックに起用され、堂安律の同点ゴールをお膳立てした三笘薫。苦しい状況が続く中、試合の流れを変えた得意のドリブルは「入った1秒から100%の出力が出せるようにしている」からこそ為せる業だ。日本の“戦術”と呼ばれる男は「ドイツに勝った自信が過信にならないように」と気を引き締めた。

【映像】コスタリカ戦への意気込みを語る三笘薫

-ドイツ戦の余韻が残っている状況だが、コスタリカ戦に向けた調整は。

 ドイツ戦で出場したので、コンディションは上がってきています。今日はもう2日前なので、気持ちもコンディションもしっかり準備できています。

-前の試合から実質2日程しか調整の時間は取れないが。

 時間のなさは感じますが、チームとしての共有力を持てば全然短くはないし、以前の代表活動でもやってきたことなので大丈夫かなと思っています。

-コスタリカ対策は、チームで密に話し合っているのか。

 しっかりと分析を話し合いながら、チームとしてどのような攻撃と守備をしていくかというのは考えています。

-コスタリカは、引いて守る可能性もある。アジア予選でも日本が手を焼いてきたタイプになるが。

 それは、間違いないですね。でも焦れてくるというか、相手も勝ち点3を獲りに来るのでずっと引いてくるということはないと思います。そこは状況を見ながら、判断をしていかないといけないと思います。

-試合では、ジョーカー的な役割も担っているが、試合の途中からゲームの流れに入っていく難しさはあるか。

 昔はたくさんありましたし、今も難しいところはありますが、徐々に慣れてきて、前半から試合の流れを見ながらどういうプレーをすべきなのか考えています。入った1秒から、100%のスプリントだったり、出力が出せるようにしています。

-試合の前半から試合に入れる準備をしているのか。

 前半で負傷者が出ても大丈夫なようにアップはしていますし、後半から出るのか、後半開始してどのくらいで出るのかをイメージしながらアップの調整をしています。

-スタメンへの思いは

 もちろんスタメンで出て試合に勝つというのが一番嬉しいことですけど、日本代表として戦っている以上、どの役割でも100%を出さなければいけないと思っています。

-ドイツ戦で世界トップクラスの選手と戦った手ごたえはあったか。持ち味のドリブルが通用すると感じたか。

 得点シーンにつながったドリブルは、周りを見ながら相手を引きつけて味方を活かすという特徴は出たと思います。が、自分もドリブルだけの選手ではないし、守備もできると思っているので、そういったすべての面を評価してもらいたいなと思っています。

-ボールを持つことで会場の雰囲気も盛り上がる。ピッチ上でも感じるか。

 ボールが渡ってすごく大きな歓声がわくとモチベーションも上がりますし、チャンスを作っていかないとと良い意味でプレッシャーになっています。そこで冷静になるようにも意識していますね。

-ドイツ戦ではウィングバックで起用された。今までの代表ではあまりない形にとまどいはあったか。

 3枚でいく可能性は示唆されていました。3-4-3だとウィングバックもあるし、前の3トップの可能性もあるので、考えながらやっていました。

-相手の裏をついたような形になってドイツも混乱しているようにもみえた。実際にプレーしていて感じたか。

 僕がウィングバックをするということは、それだけ前にもかけられます。後ろは3枚で守りながら、ウィングバックが高い位置を取ることで前に人数がかけられますし、その分ボールのつなぎ方もスムーズになっていたと思います。ウィングのポジションをとりながら、守備のところもしっかり下がることを意識していました。

-大会が始まってチーム全体の団結力は上がったか。

 まだ1試合しか終わってないですが、確実にチームの輪は大きくなっていると思います。ドイツに勝ったことによる自信もありますが、それが過信にならないように忘れないといけないと思っています。

-メンタルの部分で気を付けていることは。

 良いプレーをしても悪いプレーをしても、チームとして戦っている以上、自分の感情だけで動くことは絶対にしないこと。どんな立場であれ、チームの勝利のために行動するということが大事だと思います。

-若手からベテランまで幅広い年齢層があるが、ピッチ内外でのコミュニケーションは活発なほうか。

 どうですかね(笑)活発な人に比べるとそうではないと思いますけど、仲の良い選手は多くいますし、オリンピック世代もたくさんいるので仲の良い選手が多い分楽しめています。

-ベテラン選手とのコミュニケーションは。

 僕はとれていると思いますけど。ベテランの選手がどう思っているかはわからないです(笑)ピッチ内外で話しかけてくれますし、リーグが違うのでそういった話もします。自分もいろんな人の特徴を盗めるところは盗みたいなと思っています。

-ドイツ戦で海外メディアからの取材に英語で対応していたが。

 毎回立ち止まって後悔しているくらいの英語力です。もっともっと英語力をあげなければいけないなと思っています。

-日本で観ているファンや、カタールに来ているサポーターにむけてひとこと。

 第1戦を素晴らしい形でスタートできたのも、現地にいるサポーターと日本からの応援のおかげだと思っています。その応援を背にしっかりと第2戦、第3戦も勝って、まずはグループステージ突破できるように頑張っていきたいと思います。

(『ABEMA NEWS』より)