デュークがヘディングで先制点

MATCH 21 グループD 第2節 

2022年11月26日13:00キックオフ(会場:アル・ジャヌーブ・スタジアム)

チュニジア 0-1 オーストラリア

FIFAワールドカップ・カタール大会は2戦目に突入した。前節はフランスに先制点を挙げながらも逆転負けを喫したオーストラリアと、決定力不足が露呈してデンマークとスコアレスドローで終わったチュニジア。初戦で白星を逃した両者は、決勝トーナメント進出に向けて是が非でも初勝利が欲しい一戦となった。

序盤に押し込んだのはオーストラリアだった。フランス戦でも開始早々に先制点を挙げた勢いをこの試合でも維持し、いい流れのままチュニジアゴールに襲い掛かる。そこで存在感を発揮したのが、ミッチェル・デュークだ。J2のファジアーノ岡山でプレイするストライカーは、クロスボールやロングフィードに対して身体を張って前線の起点となる。

また守備での献身性も兼ね備え、14分にはデュークのプレッシングからボールを奪ってカウンターにつなげる。デュークからのパスを受けたレッキーのクロスは合わなかったが、オーストラリアは最前線の核を起点に好機を生み出していく。

すると23分、そのデュークから2試合連続の先制点が生まれる。GKマシュー・ライアンのゴールキックをデュークが競ったボールから、左サイドへ展開してチャンスを伺う。ボールを受けたグッドウィンは左足でクロスを供給すると、相手DFに当たって軌道が変わったボールにデュークが上手く反応。ヘディングシュートはチュニジアのゴール右に決まり、オーストラリアが1点を先取する。

持ち味の鋭いカウンターが出せないままビハインドを背負ったチュニジアは、41分にペナルティエリアへと進入したジェバリのパスを受けたドレーガーがシュートを放つもオーストラリアのブロックに遭ってゴールを決められず。前半アディショナルタイムには、右サイドからジェバリのクロスにムサクニがタイミングよく合わせたが、これもゴール右に外れる。チュニジアも前半の終盤に複数回決定機を作るものの、課題の決定力不足が露呈して同点には至らない。

[W杯マッチ21]ファジアーノ岡山FWデュークが決勝ゴール! 背水のオーストラリアに希望をつなげるヘディング弾で初白星
この試合でも決定力不足が露呈したチュニジア photo/Getty Images

強度高く守り抜いたオーストラリア

オーストラリアペースで試合が進んだ前半だったが、後半は一転してチュニジアが主導権を握る展開に。押し込みながらセットプレイを得てゴールまで攻め込み、いい流れを生み出す。それでもオーストラリアは最後の場面で身体を張って、決定的なシーンは作らせない。72分にはムサクニがドリブル突破からペナルティエリアまで進入して左足を振り抜く。これはライアンの好セーブでゴールには至らない。

さらに85分にもチュニジアに決定機。相手のミスを奪ったタハ・ヘニシがドリブルで仕掛けてゴールを目指す。しかしカバーに入ったソウターの好守に阻まれてしまう。後半アディショナルタイムにはロングボールを供給しながら、ゴール前まで攻め入る。しかしGKライアンを中心とした守備陣が強度高く耐え抜き、ムーイら中盤の選手たちも運動量豊富に守り抜く。結局無失点のまま試合を終え、1-0でオーストラリアが初勝利を手にした。

前節大敗により背水の陣で挑んだオーストラリアは、決勝トーナメント進出へ望みをつなぐ勝点3を奪い、デンマークとの最終戦に向けて希望を見せる好試合となった。一方で12本ものシュートを打ちながら得点を奪えなかったチュニジアは、2試合連続ノーゴールで敗戦。課題を解決できないまま、次戦はフランスとの一戦を迎えることとなり状況は厳しくなった。

[W杯マッチ21]ファジアーノ岡山FWデュークが決勝ゴール! 背水のオーストラリアに希望をつなげるヘディング弾で初白星
豊富な運動量で攻守に貢献したムーイ photo/Getty Images

[スコア]
チュニジア 0-1 オーストラリア

[得点者]
オーストラリア
23分 ミッチェル・デューク

[ポゼッション]
チュニジア 46% オーストラリア 38% 中立14%

[シュート数]
チュニジア 12本 オーストラリア 5本

[枠内シュート]
チュニジア 4本 オーストラリア 2本

[イエローカード]
チュニジア 3枚
26分 アイサ・ライドゥニ
64分 アリ・アブディ
90+3分 フェルジャニ・サシ

チュニジア
フォーメーション:[3-4-3]

監督:ジャレル・カドリ

GK
アイメン・ダーメン(スファクシアン)

DF
モンタサル・タルビ(ロリアン/フランス)
ヤシヌ・メリアフ(エスペランス)
ディラン・ブロン(サレルニターナ/イタリア)

MF
アイサ・ライドゥニ(フェレンツヴァーロシュ/ハンガリー)
エリス・スキリ(ケルン/ドイツ)
モハメド・ドレーガー(ルツェルン/スイス)
アリ・アブディ(カーン/フランス)

FW
ユセフ・ムサクニ(アル・アラビ/カタール)
ナイム・スリティ(アル・イテファク/サウジアラビア)
イサーム・ジェバリ(オーデンセBK/デンマーク)

交代出場
46分 モハメド・ドレーガー→フェルジャニ・サシ(アル・ドゥハイル/カタール)
67分 アイサ・ライドゥニ→ワフビ・ハズリ(モンペリエ/フランス)
73分 ディラン・ブロン→ワジディ・ケシリダ(アトロミトス/ギリシャ)
73分 イサーム・ジェバリ→タハ・ヤシン・ヘニシ(クウェートSC /クウェート)

オーストラリア
フォーメーション : [4-3-3]

監督 : グラハム・アーノルド

GK
マシュー・ライアン(コペンハーゲン/デンマーク)

DF
カイ・ロールズ(ハーツ/スコットランド)
フラン・カラチッチ(ブレシア/イタリア)
アジズ・ベヒッチ(ダンディー・ユナイテッド/スコットランド)
ハリー・ソウター(ストーク/イングランド)

MF
マシュー・レッキー(メルボルン・シティ)
アーロン・ムーイ(セルティック/スコットランド)
ジャクソン・アーバイン(ザンクトパウリ/ドイツ)
クレイグ・グッドウィン(アデレード・ユナイテッド)

FW
ライリー・マッグリー(ミドルズブラ/イングランド)
ミッチェル・デューク(ファジアーノ岡山/日本)

交代出場
64分 ミッチェル・デューク→ジェイミー・マクラーレン(メルボルン・シティ)
64分 ライリー・マッグリー→アルディン・フルスティッチ(ヴェローナ/イタリア)
75分 フラン・カラチッチ→ミロシュ・デゲネク(コロンバス・クルー/アメリカ)
85分 クレイグ・グッドウィン→アワー・マビル(カディス/スペイン)
85分 マシュー・レッキー→キアヌ・バッカス(セント・ミレン/スコットランド)