スタジアム外での“日本代表”の行動への興味は尽きないようだ。中東の衛星チャンネル『Al Jazeera』が、「日本のサッカーファンは、ワールドカップの試合後にスタジアムの清掃を手伝うという伝統的な行為で、尊敬を集めている」と報じている。

 カタール・ワールドカップの開会式が行なわれた11月20日、スタジアムでゴミ拾いをする日本人サポーターの姿が報じられたのがきっかけだ。現地では驚きをもって伝えられた行動は、23日に行なわれたドイツ戦(2-1)でもスタジアムの清掃を助ける姿が見られた。さらに、代表チームがロッカールームを整理整頓して去ったことも大きな反響を呼んでいる。

「最近になってよく見られるようになった光景だが、日本のファンは水曜日、チームがドイツに勝利した後も、ハリファ国際スタジアムの掃除を手伝って、ボランティアに感謝された。

 ちょうど、彼らを捕まえて話を聞くことができた。ダンノさんは『皆さんが特別だと思っていることは、私たちにとっては珍しいことではない。トイレを使った後は自分できれいにするし、部屋を出る時も片づけて去る。日々、当たり前にしていることだ』と述べて、肩をすくめた。その習慣は、もはや彼らの伝統であるのだ」
 
 そして、「2018年のロシア大会でラウンド・オブ16、アディショナルタイムのゴールでベルギーに敗れた後も、彼らは同じことをしていた」と伝えた。

「コヅカさんは、『清潔さや整理整頓は、日本ではいわば宗教のようなものかもしれない』と語り、持参した仲間に配る分のゴミ袋も見せてくれた。また、米国在住で日本育ちのタケシさんは、教育の一環でそれらを身に着けたと教えてくれた。『部屋、バスルーム、教室をきれいにしなければいけなかった。それは大人になるにつれて、生活の一部になる。当たり前すぎて、日本人は意識もしていない』のだという。そのタケシさんも13歳の息子ケイジ君と一緒に試合後にゴミ拾いをするために残った」

 そして日本人サポーターをレポートしたハフシャ・アディリ記者は、最後にこのように綴っている。

「日本が初戦で勝点3を獲得し、グループステージ残り2試合となったが、きっと我々はピッチ内外でさらなる日本の美意識の伝統に触れることができるはずだ」

 カタールという異国の地で注目を集める日本人ならではの行動は、驚きと喜びをもって受け入れられているようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【動画】「勝利の後なのに…」地元メディアが報じた、日本サポーター“伝統”のゴミ拾いの様子