サッカー日本代表は現地時間27日、FIFAワールドカップカタール・グループE第2節でコスタリカ代表と対戦し、0-1で敗れた。この結果により両者は勝ち点で並び、グループリーグ突破をかけて日本代表は第3戦でスペイン代表と対戦する。

 前半は両チームともリスクを冒さないゲームプランを実行し、見る者を退屈させる45分を提供した。日本代表は後半開始時に2枚の交代カードを切り、攻勢に出る姿勢を見せたが、決定的な場面をほとんど作り出すことができず。反対に、81分には自陣でのミスから失点を喫し、0-1で敗れてしまった。

 相手がディフェンスラインの裏に出した浮き球のパスを、伊藤洋輝が頭ではね返す。これを吉田麻也が前方に蹴りだしたが、クリアが短くなってしまう。守田英正が滑り込んでボールを確保しようとするも、イェルツィン・テヘダが拾う。ケイセル・フーレルが左足でファーサイドを狙い、GK権田修一はこれを弾き出せずにゴールに吸い込まれた。

「吉田がもっと大きくクリアしていたら」「権田がファーサイドへのシュートを両手ではなく片手でセーブしていれば」失点は防げていたかもしれない。しかし、この場面で失点を防げていたとしても、日本代表はこの試合に勝利していたわけではない。

 問題はそれまでの約80分間にも多々あった。高い位置からプレスをかけたにもかかわらず、ディフェンスラインを上げずに中盤ががら空きになり、結局カウンターに繋げられない場面が多かった。相馬勇紀や堂安律の仕掛けに頼り、連動したパスワークや失った後の即時奪回もあまり見られず。トランジションで優位に立てる遠藤航と守田を同時起用した意図も見えなかった。

 もちろん、吉田のプレーはミスだし、権田は失点を防げていたかもしれない。しかし、吉田はドイツ代表戦から同じような判断ミスや危険なパスを見せていたし、チームとしても改善すべきことは多々あった。

 相手の意向に沿うような消極的なゲームプランで時間を潰し、焦って攻勢に出た挙句、ミスから失点を喫したのがこの試合の要旨。彼らのプレーを生贄にして、問題の本質から目を背けてはいけない。