スペイン代表GKウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)が30日、FIFAワールドカップカタール2022・グループE第3節日本代表戦の前日会見に出席した。
ウナイ・シモンは今回のワールドカップだけでなく、昨年行われた東京オリンピックのU-24スペイン代表にも選出。準決勝では日本代表と戦い、延長戦の末に勝利したピッチに立っていた。ウナイ・シモンは「もちろん覚えている」と当時を振り返ると、「彼らは非常にインテンシティが高く、ハードワークを厭わないチームだった。今回も同様に難しい試合になるだろう。日本の選手たちはゴールを決めなければならないことを理解しているから、ハイプレスで来ると思う」と今回の試合の展望にも言及。一方で、スペイン代表の強みを「ボールを保持すること、そして試合の主導権を握り続けるという意味で僕らを上回るチームはほとんどないだろう」と語ると、“優勝候補”と称されることに対する自身の見解も明かしている。
「大会前に“優勝候補”と言われたチームが、これまで本当に優勝してきたケースは少ないよ。だからこの時点でどのチームが勝つかは誰にもわからない。だが、自分たちのスタイルには自信がある。だからこそ、死ぬまで貫き通す。僕たちは自分たちのスタイルがあるからこそ、この大舞台でも戦えているんだ。大会が終わるまで自分たちを信じて頑張るよ」
スペイン代表に浸透しているボールを繋ぐスタイルの中で、GKが果たす役割は欠かせない。ウナイ・シモンも積極的にボールに関与し、“11人目のフィールドプレイヤー”として攻撃を作っていく。ハイプレスを敷いてくるチーム相手に“リスク”が生まれるという可能性を指摘されるも、ウナイ・シモンは「僕にとってはリスクではない」と一蹴。「このような意見は毎試合出てくるが、監督の考えがあり、僕もチームもそれを理解している」と話しただけでなく、それらのプレーから得られる“リターン”にも言及した。
「この代表チームで、GKは常にチームを優位に立たせる存在だ。例えば、相手選手が僕に食い付いてきたら、既にフリーの選手が生まれており、そこから先は僕らが優位になる。最終ラインで優位に立ち、そこから良い形で攻撃に繋げることが重要なんだ。もちろん、そのような場面では非常に集中しなければならないけどね」
「GKがボールを支配していると、緊張感が生まれることは理解している。それが一発勝負のノックアウトステージとなれば、さらに緊張感が高まるだろう。だが、それがスペイン代表のプレーなんだ。チーム全体がGKを信頼している。GKがボールに関与することで優位性が生まれるから、そのプレーをリスクとは考えていない。例えば、ドイツ戦では4回ほどボールを失ったが、50回以上はしっかりとボールを繋げている。バランスを考えるとプラスだと思う」
グループEの最終節、スペイン代表と日本代表の一戦は、12月1日の日本時間28:00(現地時間22:00)にキックオフを迎える。