【専門家の目|栗原勇蔵】欠場濃厚な酒井以外はベストメンバー勝負か

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング24位)は現地時間12月1日、カタール・ワールドカップ(W杯)グループリーグ第3戦でスペイン代表(同7位)と対戦する。決勝トーナメント進出を懸けた大一番の見どころを日本代表DF栗原勇蔵氏に訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 日本はグループリーグ初戦のドイツ代表戦で2-1と大金星を収めたが、続く第2戦でコスタリカに0-1で敗戦。1勝1分の3位(勝ち点3/得失点差±0)で最終戦のスペイン代表戦に臨む。

 右太ももの違和感でコスタリカ戦を欠場したDF冨安健洋は11月29日に練習復帰したが、左太ももの違和感を抱えるDF酒井宏樹(浦和レッズ)、右膝の痛みを訴えたMF遠藤航(シュツットガルト)は前日練習に姿を見せていない。酒井の出場は難しそうだが、森保監督は遠藤が間に合う可能性も示唆しており、元日本代表DF栗原氏も「ここで負けたら終わり。守田は鉄板として、遠藤は使うと思いますし、本人も志願するでしょう」と予想している。できる限りのベストメンバーは、守備陣に関しても同様だという。

「3バックでスタートしてもしダメだったら万事休す。4バックでスタートして、3バックへのシフトを視野に入れると思います。冨安の状態次第ですが、練習に合流しているなら使うでしょう。好調な板倉(滉)を残す、冨安を右サイドバックに回す形もあるかもしれませんが、森保監督はこれまで慎重な采配をしてきたので、山根(視来)、冨安、吉田(麻也)、長友(佑都)、GKの権田(修一)を含めて順当なメンバーになると思います」

 2列目は右サイドのMF伊東純也(スタッド・ランス)、MF鎌田大地(フランクフルト)は有力。栗原氏は「鎌田は調子がそこまで良くない。(トップ下に)代わる選手がいれば別ですけど、南野(拓実)や久保(建英)も違うかなというところで、もう鎌田と心中ですね」と語り、左サイドと1トップの人選が鍵を握ると見解を述べた。

「前半はとにかく失点しない。0-0の展開で、後半途中にギアを上げる展開になる可能性があるので、ラスト30分なり、勝負どころで切り札を使いたいという思いがあると思います。そのなかで、困った時の頼れる存在は今、三笘(薫)しかいない。左サイドはスペインに免疫のある久保と予想します。1トップは上田綺世(セルクル・ブルージュ)と町野(修斗/湘南ベルマーレ)はないでしょうね。浅野(拓磨)が途中出場からいい働きを見せている気がするので、先に前田大然を使うのではないでしょうか」

 伊東らのサイド攻撃が「相手に止められた時点でもう詰んでしまう」と指摘した栗原氏。森保監督の采配が、勝敗を分けるキーポイントの1つになるのは間違いない。(FOOTBALL ZONE編集部)