EURO2020ベスト4のデンマークを撃破する衝撃サプライズ

フランス、チュニジア、デンマークと同居したグループDをオーストラリア代表が突破すると誰が予想しただろうか。

FIFAワールドカップ・カタール大会のグループDを勝ち抜いたのは、前回王者フランスとプレイオフから上がってきたオーストラリアだった。

開幕前の予想では、やはり前回王者フランスと昨夏のEURO2020ベスト4のデンマークが人気だった。デンマークに関しては今大会のダークホース候補との呼び声もあり、5大リーグでプレイしている選手も多い。

デンマークは30日にグループD最終節でオーストラリアと対戦したが、ここで勝てば決勝トーナメント進出への光が見えていた。初戦はチュニジアと引き分け、第2戦ではフランスに敗れたものの、アジア最終予選でサウジアラビアと日本に後れを取ったオーストラリアに勝てば決勝トーナメントに行けると想定していたデンマークサポーターも多かっただろう。

しかし、勝ったのはオーストラリアだった。デンマークがボールを支配していたものの、オーストラリアは60分にカウンターからMFマシュー・レッキーがゴールを決めて1-0で勝利。ここでもアジア勢がまさかのサプライズを起こすことになった。

オーストラリアは2006年のドイツ大会以来となるベスト16入りを決めることになったのだが、勝利を収めた第2節のチュニジア戦後に元オーストラリア代表MFハリー・キューウェルはこのように話していた。

「このチームには何かが見える。2006年のチームを凌駕するほどの選手が揃っているかのように見える。我々はアルゼンチンでもブラジルでもない。オーストラリアだ。チュニジア戦では自分たちの強みを発揮できていたと思うし、素晴らしかった。初めて全選手にMOMを贈りたかった」

ドイツ大会当時はキューウェル、マーク・ビドゥカ、ティム・ケイヒル、マーク・シュウォーツァーなどトップリーグで活躍している選手も多く、オーストラリアにとっての黄金世代だった。そのころに比べるとオーストラリアの実力は落ちたと考えられており、実際に今大会へ向けたアジア最終予選もグループ3位に終わって大陸間プレイオフへと回っている。

そのチームがEURO2020ベスト4のデンマークを撃破するのだから面白い。今のオーストラリアは攻撃の迫力こそ限られているが、守備はまずまず安定している。ベスト16ではアルゼンチン代表と対戦することになり、デンマーク戦以上に厳しくなるだろう。守りの時間が増えるはずだが、粘りの守備で更なるサプライズを起こせるか。