ベルギーやドイツら強豪が敗退、下馬評覆す国々の躍進が話題

 日本代表は現地時間12月1日、カタール・ワールドカップ(W杯)のグループリーグ第3戦で優勝候補の一角であるスペイン代表に2-1で勝利した。初戦のドイツ代表に続く大金星を実現しグループ首位での突破を決めた。日本以外にも、今大会は下馬評を覆す番狂わせが続いている。

 開幕戦でA組カタール代表がエクアドル代表に0-2敗れ、史上初めて開催国黒星発進という結果からスタートした今大会。その後B組イングランド代表がイラン代表に6-2、A組オランダ代表がセネガル代表に2-0で勝利するなど有力国が順当に白星を手にした。

 しかし、大会3日目に大波乱が起きた。C組でサウジアラビア代表がFWリオネル・メッシを擁する南米の雄アルゼンチン代表を2-1で下した。アルゼンチンを相手に真っ向からぶつかりあって勝利したサウジアラビアは世界に大きな衝撃をもたらした。

 そんなサウジのアップセット(番狂わせ)に続いたのはE組の日本だった。優勝4度を誇るドイツに先制を許すも、後半に2ゴールを奪って逆転。これまで1度も勝ったことのなかった相手からW杯の舞台で歴史的な初勝利をもぎ取った。日本サッカーにとって因縁の地であるカタール・ドーハで歓喜の瞬間を迎えた。

 グループリーグ第2戦ではA組から比較的順当な結果が続いていたなか、E組でコスタリカ代表が日本に1-0で勝利。最終的な成績を見た上であらためて振り返れば、これも十分番狂わせの結果といえそうだ。また、F組ではFIFAランキング22位のモロッコ代表が同ランキング2位のベルギーを2-0で撃破。モロッコはこの勝利で決勝トーナメント進出を大きく手繰り寄せた。

 第3戦では、D組でチュニジア代表がフランス代表に1-0で勝利を収めた。フランスはすでにグループリーグ突破を決めていたことから大幅なターンオーバーを行っていたとはいえ、最後まで突破を諦めなかったチュニジアの大健闘といえるだろう。同じくD組のオーストラリア代表は昨年の欧州選手権ベスト4のデンマークに1-0で競り勝ち、アジア勢一番乗りで決勝トーナメント進出を確定させた。

 そして日本も再び世界に衝撃を与えた。負ければグループリーグ敗退という重圧のかかる一戦で森保ジャパンはスペインを相手に2-1で勝利を飾り、E組首位の座を確保した。ジャーナリストのグレアム・ベイリー氏は自身のツイッターで「日本はスペインを倒し、そしてドイツを帰国に追いやった。本当に衝撃の結果だ」と日本を称賛。さらに「今回のW杯はいくつもの信じられないようなアップセットが生まれている」とここまでの大会結果を振り返っていた。

 すでに前回大会3位のベルギーやドイツ、デンマーク、7大会連続でベスト16入りしていたメキシコ代表といった有力国の敗退が決まった。その一方で、日本やオーストラリア、モロッコなど下馬評では突破が難しいと予想されていた国が躍進を見せている。初の中東開催となったこのカタールW杯。さらなる波乱が巻き起こるだろうか。(FOOTBALL ZONE編集部)