【FIFA ワールドカップ カタール 2022・グループF】クロアチア0-0ベルギー(日本時間12月2日/アフメド ビン アリ スタジアム)

決勝トーナメントに駒を進めた日本は、12月5日にグループFを2位通過したクロアチア代表と激突する。そんなクロアチア代表で最も警戒するプレイヤーはクロアチアのMFルカ・モドリッチ(37)だろう。

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解説を務める、元日本代表の面々が「モドリッチは、攻撃の起点。ゲームをコントロールしながらチャンスの時はゴール前に出て来て自分でシュートを決めることができる選手ですから、自由にさせると日本としては難しい展開になっていくと思います」と話した。

モドリッチは、クロアチア代表の生きる伝説だ。ピッチを見渡す広い視野、遊び心も見せる巧みな足技、細身な身体で戦うタフネス、そして闘志。その生き様でチームメイトの心も震わせている。

ユーゴスラビア(現クロアチア)出身、スペインの名門レアル・マドリードに所属する選手だ。12年8月に入団したRマドリードでは、高い戦術眼と卓越した技術で5度の欧州CL制覇に貢献するなど、数々のタイトルを獲得してきた。

06年3月に20歳でデビューした代表では16年から主将を務めるなどチームをけん引。

ワールドカップは今大会も「10」を背負い、4度の出場を果たしている。08年から昨年までC・ロナウドとメッシの2人が独占してきた最高の栄誉に唯一割って入った、クロアチア人初となるバロンドールにも選ばれた。

モドリッチは、ふだん寡黙であり、チームメイトによれば、モドリッチは普段はいたって無口でロッカールームではフクロウのように静かに鋭い視線を送って、周囲で起こっているありとあらゆる出来事を観察する鋭い観察眼の持ち主らしい。

一方でピッチ上では激情の持ち主の一面がある。モドリッチ自身、「自分はおとなしい性格だけど、ピッチに立つと不思議と臆病さが消える。たぶん、サッカーが僕の心を熱くして、”変身”することができるのさ。日々の練習も、試合も、ボールを蹴るのは楽しくて仕方ない。負けるのは嫌いだけどね」と語っている。

過去、ワールドカップで日本代表と2度に渡りクロアチア代表と戦っているが、1分1敗だ。2006年のドイツワールドカップのグループリーグの日本VSクロアチア戦でモドリッチは、途中出場していた。引き分けに終わったがモドリッチの中では日本代表に対してどんなイメージが残っているのか。

今回、決勝トーナメント初戦で戦う日本代表の印象をモドリッチは、インタビューでこう答えた。

「次に進めたことは、僕らにとってとても重要だ。相手がどこであろうとベストを尽くすよ。スペインだろうと、コスタリカだろうと、日本だろうと、ドイツだろうと難しい。ここからの試合は本当に難しくなるんだ。だから、僕らは努力を惜しむつもりはない」

日本代表は、経験豊富な東欧の雄を相手にいかなる闘いを見せるのか。史上初のベスト8に向けた試合は実に興味深い。

そんなモドリッチだが、もう一つ日本との接点の噂が流れている。

モドリッチも37歳。Rマドリードとの契約は来年6月末に満了するとされており、今季限りで退団する可能性があり、そこで浮上したのが、Jリーグ入りだ。

自身のエージェントらを通じて既に複数のJクラブと接触。早ければ来夏にも日本のピッチに立つ可能性があるという。契約が成立すれば、バロンドール(世界最優秀選手)受賞者として2人目のJリーグ入りとなる。かつて柏でプレーした元ブルガリア代表FWストイチコフに続く。

とにかく様々な場面で日本の壁となったモドリッチ率いるクロアチア代表との一戦は目が離せない。日本代表がベスト8という悲願を掴むのか、それとも生きる伝説モドリッチが立ちはだかるのか。キックオフの笛を世界中が注目している。

(ABEMA/FIFAワールドカップ カタール 2022)