後半AT2分にアブバカルが決勝ゴールも、2枚目のイエローカードで退場
カメルーン代表は、現地時間12月2日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)のグループリーグ第3戦で優勝候補のブラジル代表から劇的な勝利を挙げた。大舞台で実に20年ぶりとなる白星を手にしたが、その立役者となったストライカーの珍行動が話題となった。
カメルーンはグリープリーグ突破のためにブラジル相手の勝利が最低条件。すでに突破を決めているブラジルは前に試合から先発9人を入れ替えて試合に臨んだが、ゴールは遠かった。後半45分までスコアレスの状況が続き、そのままドロー決着かに思われた。
そうしたなかで迎えた後半アディショナルタイム2分、カメルーンは右サイドからのクロスをFWヴァンサン・アブバカルがヘディングで流し込んでネットを揺らした。この劇的弾がそのまま決勝点となり、カメルーンは2002年の日韓W杯のサウジアラビア戦以来20年ぶりの勝利をブラジルから挙げた。
しかし、得点者のアブバカルはゴール後にシャツを脱いで喜んでしまい、警告を受けた。後半36分にすでに警告を受けていたが、それを忘れていたのかゴール直後に退場というまさかの事態に。アディショナルタイムの目安は9分だったため、カメルーンはおよそ7分を数的不利の状況で戦うことになった。追いつかれていれば、アブバカルはあやうくヒーローの座を失うところだった。
データ分析会社「オプタ」によれば、W杯で得点を決めた選手が同じ試合で退場処分を受けたのは2006年のドイツ大会決勝戦の元フランス代表MFジネディーヌ・ジダン氏以来だったという。カメルーンに久しぶりの勝利をもたらしたストライカーは、フランスのレジェンド以来となる珍記録を生み出していた。(FOOTBALL ZONE編集部)