メッシのゴールで先制、アルバレスが追加点…準々決勝ではオランダ代表と対戦

 アルゼンチン代表が現地時間12月3日のカタール・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦、オーストラリア代表戦に2-1で勝利。ベスト8への進出を決めた。

 アルゼンチンは今大会、初戦でサウジアラビア代表に1-2で敗れる衝撃のスタートになった。しかし、そこから立て直して2連勝でグループCの1位通過。そして、最終戦のポーランド代表戦では主将のFWリオネル・メッシをゼロトップ気味に3トップの中央に据え、守備の負担をチームで吸収しながら両サイドをテクニカルに崩すサッカーを展開。リオネル・スカローニ監督は、現時点での最適解に見えるこのシステムを継続した。

 一方のオーストラリアも、初戦で前回王者フランス代表に完敗したものの、チュニジア代表とデンマーク代表に連勝し2006年ドイツW杯以来で堂々の決勝トーナメント進出。アジアサッカー連盟に転籍して以降は初のグループリーグ突破となった。

 そのゲームは基本的にボールを持って攻めるアルゼンチンと、守備を固めつつ逆襲のチャンスをうかがう構図になった。そして0-0で迎えた前半38分、セットプレーの二次攻撃からMFアレクシス・マック・アリスターが縦パスを入れるとDFニコラス・オタメンディがトラップ。すると、そのボールに反応していたメッシが左足で丁寧なシュートを流し込んだ。オーストラリアの守備陣がゴール前を固めるなか、どこにボールが通るコースがあったのかというようなメッシのコントロールショットが決まった。

 前半を1-0で折り返したアルゼンチンは後半に入ると少しペースを落としたかに見えた。しかし後半12分、オーストラリアのGKマシュー・ライアンが左サイドバックのところまでパスを出したところで一気にプレスのスイッチを入れた。

 アルゼンチンはMFロドリゴ・デ・パウルが最初のプレスをかけると、センターバックへのバックパスにもそのままデ・パウルが襲い掛かる。さらにGKのライアンまで下げたところデ・パウルは勢いを止めずに追っていき、逆サイドからFWフリアン・アルバレスも挟み込むようにプレス。バックパスのために手でボールを扱えないライアンの足下からアルバレスがボールを奪い取り、そのまま無人のゴールに流し込んだ。

 苦しい状態に追い込まれたオーストラリアだが後半30分、クロスボールのこぼれ球を拾った途中出場のFWクレイグ・グッドウィンが左45度付近から思い切ってミドルシュートを放つと、アルゼンチンのMFエンソ・フェルナンデスに当たったボールは絶妙なコースに変化してゴール内へ。オーストラリアが1点差に詰め寄った。

 勢いに乗るオーストラリアはDFアジズ・ベヒッチがゴール前までドリブルで切り込むなどアルゼンチンに冷や汗をかかせるような攻撃も見せたが、試合はこのまま終了。アルゼンチンが勝利し、準々決勝ではオランダ代表との対戦が決まった。(FOOTBALL ZONE編集部)