サッカー日本代表は現地5日、カタールワールドカップの決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表と対戦する。

　現在のクロアチア代表を率いているのは、ズラトコ・ダリッチ監督だ。2017年10月から現職に就いた指揮官は、2018年のロシアワールドカップでチームをクロアチア史上初の決勝進出に導いた。

　決勝トーナメントでは1回戦と準々決勝をPK戦の末に勝ち抜き、延長戦までもつれた準決勝でイングランド代表を破ってファイナルの舞台へ。決勝ではフランス代表に敗れてしまったが、最後まで諦めず、一致団結して戦い抜いたクロアチア代表には多くの称賛が集まった。

　ダリッチ監督は大会後に『我々の夢、ロシア』と題したワールドカップの回顧録を出版。特大の成功体験を背景に継続路線を突き進んだが、徐々に結果が出なくなってチームの変革を迫られるようになる。

　現体制ではロシアワールドカップの後にEURO2020でベスト16に進出し、カタールワールドカップの出場権を獲得。3つのメジャー国際大会に出場する過程で、ダリッチ監督は世代交代を推し進めた。

　深い信頼関係で結ばれるキャプテンのMFルカ・モドリッチは不可侵領域だが、すでに4年前のワールドカップ準優勝メンバーの約半分がクロアチア代表を去っている。代わりにDFヨシュコ・グヴァルディオル、DFボルナ・ソサ、DFヨシプ・スタニシッチ、MFルカ・スチッチら20代前半の若手選手たちを抜てきして重要戦力にするべく育成してきた。

　クロアチア代表監督就任前はサウジアラビアやUAEで指導しており、中東での経験を豊富に持つ指揮官は、カタールワールドカップを自らの作ったチームの集大成と位置づけているだろう。今大会が終われば、37歳になったモドリッチとともに代表監督の座を降りる見込みだ。

　日本代表戦がダリッチ監督にとってクロアチア代表での最後の試合になってしまうのか、あるいは「我々の夢、カタール」の物語は続くのか。運命の一戦は現地5日の18時（日本時間6日0時）キックオフ予定となっている。

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