[カタール・ワールドカップ ラウンド16]日本1(1PK3)1 クロアチア/12月5日/アル・ジャヌーブ・スタジアム

【日本代表・総評】

 今大会、精度を高めている3-4-2-1でスタート。ドイツ戦やスペイン戦に比べてボールを持てる時間も増え、主体的に攻撃も展開。43分にはセットプレーから先制点を奪う良いゲーム運び方を見せた。後半立ち上がりに同点に追いつかれた後はしぶとく試合を進め、延長戦も戦い切った。

 そしてPK戦、クロアチアが3人決めたのに対し、日本は1人。やはりベスト16の壁は高かった……。それでもここまでの奮闘は称えたい。彼らの姿に勇気をもらった人は多いはずだ。よく戦った!!

【個人採点・寸評】
GK
12 権田修一 6.5
フィードは乱れがちだったが、この日も冷静にゴールを守った。55分には失点したとはいえ、62分のモドリッチのミドルをファインセーブ。ハイボールの処理も良かった。しかし、PK戦でヒーローにはなれず。
DF
3 谷口彰悟 6.5
スペイン戦に続いての先発出場。ワールドカップ2試合目とは思えない落ち着いたパフォーマンスを披露。パスの意識も高かった。

16 冨安健洋 6
立ち上がりにらしくないミスでピンチを迎えたが、それ以外は持ち直してプレー。ボールを高い位置で受けるなどの工夫も。ただ味方と呼吸が合わないことも。守備対応はさすが。

22 吉田麻也 6
相手CFと激しいバトルを繰り広げながらハイボールを跳ね返した。前半に足を痛めたシーンもあったが、気持ちで最終ラインを牽引。しかしPK戦でキックを成功させることはできなかった。
MF
5 長友佑都 6(63分OUT)
左サイドでボールを持った時のアイデア不足はもどかしかったが、アップダウンを繰り返した。守備面の粘り強さはやはり真骨頂。予定通りの三笘との交代に。5.5と悩むも……。

6 遠藤 航 6.5
前に出る姿もよく見られ、縦パスを通した。守田とともに中盤を安定させた。惜しいミドルも放つ。

8 堂安 律 6.5(86分OUT)
クロアチアのフィジカルに苦戦する場面もあったが、調子の良さを感じさせるプレー。前田のゴールも演出した。
13 守田英正 6(105分OUT)
これぞ守田というパフォーマンスが戻った印象。ボールロストがあったのは反省材料も、リズムを作った。

14 伊東純也 6.5
守備時は5バックの右で奮闘しつつ、攻撃には右から果敢に仕掛けてチャンスを創出。クロスの精度も良かった。後半途中からはシャドーへ。彼もよく走った

15 鎌田大地 5.5(74分OUT)
これまでの3試合より縦パスを受けられる回数も増え、グループリーグより自身のやりたい振る舞いはできたはず。もっとも40分のチャンスは決めたかった。守備でも頑張ったが……。

FW
25 前田大然 6.5(63分OUT)
序盤から精力的にプレスを行なうと、43分にはセットプレーのこぼれ球にいち早く反応してゴール!! 遂に結果を残した。
交代出場
MF
9 三笘 薫 5.5(63分IN)
この日も左のウイングバックとして登場。ただ、なかなか高い位置でボールを持てなかった。それでも104分には自慢のドリブルで中央を切り裂き、強烈な一発を放つ。一方でPK戦ではGKに阻まれた。

FW
18 浅野拓磨 5(63分IN)
ロングボールを呼び込み、陣地を回復する働きをする。もっともプレー精度は欠いた印象だ。もっとボールをキープしたかった。

DF
19 酒井宏樹 6(74分IN)
負傷明けもピッチに送り出される。よく走り、ファウルを取られるシーンもあったが、空中戦の強さも発揮した。よく守備で対応した。
MF
10 南野拓実 5(86分IN)
ボールへアタックをかけ続け、献身的に走り回った。半面、攻撃面でプラスアルファをもたらせなかったのが残念。一人目のキッカーとして登場したPK戦では無念の失敗。

MF
17 田中 碧 5.5(105分IN)
延長戦の後半からピッチへ。丁寧にボールをつないだが、周囲とズレる場面も。

監督
森保 一 5.5
スペイン戦に続き3-4-2-1でスタート。この日は課題のセットプレーでも変化をつけ、それが先制点にもつながった。ただ同点に追いつかれたあとは、ゲームの流れを変えるには至らず。もう少し戦い方に幅を持ちたかったか。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト特派)

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

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