2022FIFAワールドカップカタール(カタールW杯)はグループリーグの全日程が終了し、決勝トーナメントがスタートしている。今大会のグループリーグは、3戦全勝の代表チームが1つもないことからわかる通り、いずれのグループでも接戦が繰り広げられ大会を盛り上げた。

そんな中だからこそ、1プレーが試合全体に与える影響も多く、選手1人1人に存在感を発揮する場が出ている大会ともいえるだろう。ここでは、カタールW杯グループリーグを突破した16カ国のチームから、特に突破に貢献した選手たちをベスト11形式で紹介していく。なお、より多くの国から紹介するため、各国選出選手は1名までとしている。


カタールW杯グループリーグ突破に貢献したベスト11
ポーランド代表 GKボイチェフ・シュチェスニー 写真:Getty Images

GKボイチェフ・シュチェスニー(ポーランド)

決して調子がいいとは言えないながらも、グループCで突破を果たしたポーランド。その中で最も貢献したのは、GKボイチェフ・シュチェスニー(ユベントス)と言えるだろう。グループリーグでは、サウジアラビア戦(11月26日)とアルゼンチン戦(12月1日)の2試合でPKストップするなどスーパーセーブを連発。シュチェスニーの活躍がなければ、グループリーグでの敗退も十分あり得たと言える。

なお、ポーランドは決勝トーナメントでフランスと対戦(12月5日)し、1-3で敗れている。


カタールW杯グループリーグ突破に貢献したベスト11
クロアチア代表 DFヨシュコ・グバルディオール  写真:Getty Images

DFヨシュコ・グバルディオール(クロアチア)

前回ロシア大会(2018)の準優勝国として、悲願の初優勝を目指すクロアチア。グループリーグ(グループF)では3試合でわずか1失点と堅守を誇ったわけだが、その中心選手がまだ20歳のDFヨシュコ・グバルディオール(RBライプツィヒ)だった。ここまで負傷の影響からフェイスガードをつけながらのプレーとなっていることもあり、見た目で目立つ選手でもある。しかし、プレー中は臆することなく激しくかつクリーンなタックルで攻撃を断ち切り、突破に大きく貢献した。

なお、クロアチアは決勝トーナメントで日本と対戦(12月6日)し、1-1の末にPK戦で勝利。準々決勝でブラジル(12月10日)と対戦予定。


カタールW杯グループリーグ突破に貢献したベスト11
オーストラリア代表 DFハリー・サウター 写真:Getty Images

DFハリー・サウター(オーストラリア)

グループリーグ初戦は王者フランスを相手に4失点を喫したオーストラリア。しかし以降2戦は無失点でロースコアゲームをものにし、堅守を誇るデンマーク、チュニジアを破ってグループDで突破を果たしている。この無失点に大きく貢献したのが、DFハリー・サウター(ストーク)だ。198cmの体格を生かし、1対1のシーンでも安易に飛び込まず適切な距離感を保ちながら攻撃を食い止めた。

なお、オーストラリアは決勝トーナメントでアルゼンチンと対戦(12月4日)し、1-2で敗れている。


カタールW杯グループリーグ突破に貢献したベスト11
モロッコ代表 DFアクラフ・ハキミ 写真:Getty Images

DFアクラフ・ハキミ(モロッコ)

前回ロシア大会準優勝のクロアチアと3位のベルギーと同組(グループF)になりながら、堂々1位でグループリーグを突破したモロッコ。中でも特に攻撃面で目立ったのが、世界最高のサイドバックとの呼び声もあるDFアクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン)だ。初戦のクロアチア戦(11月23日)では、フリーキックの流れから強烈なミドルシュートを放つなど見せ場を作った。さらに3戦目のカナダ戦では、勝利を決定づける2点目のアシストを記録するなど数字にも残る活躍を示している。

なお、モロッコは決勝トーナメントでスペインと対戦(12月7日)予定。


カタールW杯グループリーグ突破に貢献したベスト11
イングランド代表 DFルーク・ショー 写真:Getty Images

DFルーク・ショー(イングランド)

グループリーグ初戦の大量6得点もあり、なにかと攻撃面の選手が目立つイングランド。しかし、安定感をもたらしている選手の存在を忘れてはいけない。今大会のここまでは、DFルーク・ショー(マンチェスター・ユナイテッド)の働きも極めて大きと言えるだろう。グループBでの3戦は全てにスタメン出場し、初戦6得点の口火を切ったMFジュード・ベリンガム(ボルシア・ドルトムント)のゴールもショーのアシストから生まれている。

なお、イングランドは決勝トーナメントでセネガルと対戦(12月5日)し、3-0で勝利。準々決勝でフランス(12月11日)と対戦予定。

カタールW杯グループリーグ突破に貢献したベスト11
ブラジル代表 MFカゼミーロ 写真:Getty Images

MFカゼミーロ(ブラジル)

過去5度のW杯優勝を誇る王国ブラジル。グループリーグ2戦目以降はエース、FWネイマール(パリ・サンジェルマン)を怪我で欠く中、チームに安定感をもたらしたのはMFカゼミーロ(マンチェスター・ユナイテッド)だった。グループGにて2戦目のスイス戦(11月29日)には最終盤にこの試合両チーム合わせて唯一の得点を記録。攻守両面で躍動した。

なお、イングランドは決勝トーナメントで韓国と対戦(12月6日)し、4-1で勝利。準々決勝でクロアチア(12月10日)と対戦予定。


カタールW杯グループリーグ突破に貢献したベスト11
スペイン代表 MFセルヒオ・ブスケツ 写真:Getty Images

MFセルヒオ・ブスケツ(スペイン)

グループEにて初戦コスタリカを相手に7-0と大勝を飾ったスペイン。以降1分け1敗とやや乗り切れない印象もあったが、攻守においてチームを支えたのはベテランのMFセルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)だった。今大会は強力な若手2人と中盤を形成。自身はつなぎ役に徹している印象のブスケツ。どうしても若手2人に注目が行くが、いぶし銀の活躍も忘れてはならない。

なお、スペインは決勝トーナメントでモロッコと対戦(12月7日)予定。


カタールW杯グループリーグ突破に貢献したベスト11
ポルトガル代表 MFブルーノ・フェルナンデス 写真:Getty Images

MFブルーノ・フェルナンデス(ポルトガル)

毎度のことながらエース、FWクリスティアーノ・ロナウド(無所属)に注目が集まるポルトガル。しかし、グループリーグ(グループH)において最も突破に貢献したのは、MFブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター。ユナイテッド)で間違いない。元来チャンスメーカーとしての能力は高く、今大会でも初戦は2アシスト、2戦目は2ゴールと確実に得点に関わるなど能力をいかんなく発揮しポルトガルに勝利をもたらした。

なお、ポルトガルは決勝トーナメントでスイスと対戦(12月7日)予定。


カタールW杯グループリーグ突破に貢献したベスト11
日本代表 FW堂安律 写真:Getty Images

FW堂安律(日本)

「死の組」や「2強2弱」と言われたグループEで、敗退の有力候補になっていた日本。しかし、大方の予想に反してドイツ、スペインに勝利し世界を大いに驚かせた。その列強2ヵ国に対して、反撃の狼煙となる同点弾を挙げたFW堂安律(フライブルク)には、より一層の評価が期待できることだろう。東京五輪でも中心選手だっただけあって、今回の殊勲から今後はますます日本を背負う選手の1人となることは疑いの余地がない。

なお、日本は決勝トーナメントでクロアチアと対戦(12月6日)し、1-1の末にPK戦で敗れている。


カタールW杯グループリーグ突破に貢献したベスト11
フランス代表 FWキリアン・ムバッペ 写真:Getty Images

FWキリアン・ムバッペ(フランス)

王者としてW杯連覇に挑むフランス。直近3大会では前回優勝国がグループリーグで敗退するなど、嫌なジンクスもある中で見事グループDで突破を果たした。中でも存在感を見せたのが、前回大会19歳という若さで優勝に貢献したFWキリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)だ。圧倒的なスピードは変わらず、DFからすればドリブルに入ることはおろか、前を向かせることすら恐ろしい存在であるに違いない。

なお、フランスは決勝トーナメントでポーランドと対戦(12月5日)し、3-1で勝利。準々決勝でイングランド(12月11日)と対戦予定。


カタールW杯グループリーグ突破に貢献したベスト11
オランダ代表 FWコーディ・ガクポ 写真:Getty Images

FWコーディ・ガクポ(オランダ)

悲願のW杯初優勝に向け、最初の関門となるグループリーグを無事突破したオランダ。このグループAにて3戦全てで得点するなど大暴れしたのがFWコーディ・ガクポ(PSVアイントホーフェン)だ。エース、FWメンフィス・デパイ(バルセロナ)が怪我により出遅れる中、得点力に多少の不安がありながらも、連戦連発の活躍で見事に払拭して見せた。

なお、オランダは決勝トーナメントでアメリカと対戦(12月4日)し、3-1で勝利。準々決勝でアルゼンチン(12月10日)と対戦予定。