モロッコとの対戦を前に前日会見に登場

 スペイン代表のルイス・エンリケ監督は、現地時間12月6日のカタール・ワールドカップ(W杯)の決勝トーナメント1回戦、モロッコ代表との試合に向けた前日会見で、PK(ペナルティーキック)戦を想定して代表選手たちに「1年間でPKを1000本蹴る」という練習を指示していたと話している。

 スペインは昨年の欧州選手権で、準々決勝はPK戦でスイス代表を下したが、準決勝ではPK戦でイタリア代表に敗れた。そのイタリアは決勝戦でもPK戦を制してイングランド代表を下して欧州王者の座を手にしている。

 その苦い経験からか、ルイス・エンリケ監督は「PKは運ではない」として、「最大の責任を負う瞬間であり、決まったルーティーンが必要だ。勝つか帰るか、全てが懸かってくる。プレッシャーへの耐性は鍛えられないが、トレーニングによるルーティンで対処しやすくなる」と話した。

 その上で、約1年前の時点で代表選手たちに「クラブの練習では、少なくとも1000本のPKを蹴るべきだ」という指示をしていたと明かした。

 日本代表は5日のクロアチア代表戦でPK戦の末に敗れてしまった。3人の選手をセーブした相手GKドミニク・リバコビッチも称賛されて然るべきだが、PK戦にもつれ込んだことを想定して1000本のPK練習を指示するというスペイン代表監督の言葉からは、より入念な準備をするべきポイントの1つだったのかもしれない。

 スペインはこの後のトーナメントで、そのトレーニングの成果を生かして勝ち残る場面を迎えることになるのだろうか。(FOOTBALL ZONE編集部)