日本代表DF長友佑都(FC東京)が6日、FIFAワールドカップカタール2022を終えた心境を語った。

 今大会で『まだ見ぬ景色2022』を標榜した日本代表は、ドイツ代表とスペイン代表を抑えてグループE首位通過し、前回大会ファイナリストのクロアチア代表にもあと一歩に迫った。4度目のベスト16敗退から一夜明けて、長友は「最高の素晴らしいチームだった。ここで終わるのは非常に寂しい気持ち」とチーム解散を名残惜しんでいる。

 また長友は、今大会での戦いぶりについて「もちろん(ベスト8に)行けなかったという、自分たちの実力は受け入れなければなりません。ただ自分自身、PK戦は別の競技だと思っています。そこまでの試合内容、大会を通して、優勝候補のドイツとスペインを倒し、クロアチアと互角に渡り合えました」と振り返りつつ、「僕自身は(これまでにも)2度ベスト16を越えれなかったけど、確実に日本サッカーは成長した、と実感しています。過去6度の大会で、ここまでの優勝候補を破ったことはない。それも2回。しっかり結果を残せたのは日本サッカーが進化しているからだと思います」と自身の見解を示した。

 その一方で長友は、今後の課題にも言及。コスタリカ戦で見せた“主導権を握る展開”での弱さについて、同選手は「しっかり守備をしてカウンターというベースはある。今後、トップを目指していく上で、攻撃をどのように構築していくか、アタッキングサードでのクオリティの部分を含めて取り組んでいかなければなりません。相手が引いてしまうとなかなか崩すことができない、という課題がまだ残り続けています。現状、そこに関しては答えを見出せていない」と告白。続けて「ドイツやスペインに対して、自分たちが主導権を握って試合を攻撃的に支配、圧倒する力はない。みなさんも承知の通り、日本はまだトップレベルではないので。これが今の日本のレベルの中での限界。だから限界を突破するためにも、特に攻撃面でやることが多い」と日本サッカーの未来に思いを巡らした。

 2008年に日本代表デビューを飾り、これまでに4度のW杯に出場した長友は現在38歳。同選手は、代表引退の決断について「このワールドカップのために4年間やってきたので、とりあえず1回休みたいです。興奮している状態で決断するのは良くないので。しっかりと落ち着いて、冷静になってからこの先のことを考えていきます」と明かしている。