この記事では、ワールドカップ2022カタール大会のMVPとなったリオネル・メッシ選手(アルゼンチン)をはじめとして、各大会のMVPとなった歴代の名選手たちを紹介していきます。

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目次

  • ワールドカップMVPについて
  • ワールドカップMVPは準優勝チームから選ばれやすい?
  • ワールドカップ各大会ごとの歴代MVP
  • まとめ

ワールドカップMVPについて

ワールドカップのMVPの正式名称は?

 「アディダス・ゴールデンボール」です。ちなみに、得点王の正式名称は「アディダス・ゴールデンブーツ」となっており、大変紛らわしいので注意が必要。

ワールドカップMVPの概要

 アディダス・ゴールデンボールは、ワールドカップの各大会で最も活躍した選手に与えられる賞。記者による投票で選出され、受賞者にはボール型の金色のトロフィーであるゴールデンボールが贈られます。なお、得票数2位の選手にはシルバーボールが、3位の選手にはブロンズボールが与えられます。

 なお、アディダス・ゴールデンボールは、2つの組織によって別々の大会から選定が開始されました。サッカーに関する統計情報を収集する国際組織であるRSSSFは1978年のアルゼンチン大会から、FIFAは1982年のスペイン大会から選定しています。なおFIFAでは非公式の賞となっています。

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ワールドカップMVPは準優勝チームから選ばれやすい?

 アディダス・ゴールデンボールの選考投票は、決勝戦よりも前に行われます。そのため優勝チームから受賞者が出るとは限りません。

 1982年のスペイン大会から2018年のロシア大会まで、10大会のうち優勝国からアディダス・ゴールデンボール受賞者が出たのは、わずかに3大会。1982年に行われたスペイン大会のパオロ・ロッシ選手(イタリア)、1986年に行われたメキシコ大会のディエゴ・マラドーナ選手(アルゼンチン)、1994年に行われたアメリカ大会のロマーリオ選手(ブラジル)だけでした。

 ほかの7大会のうち5大会は準優勝チームから選出。2010年の南アフリカ大会は4位だったウルグアイからディエゴ・フォルラン選手、1990年のイタリア大会では3位のイタリアからサルヴァトーレ・スキラッチ選手が選ばれました。なお、ベスト4に入れなかったチームの選手が選ばれたことは、過去に一度もありません。

 こうした結果を見ると、MVPは準優勝チームから多く選ばれていることがわかります。しかし、あくまでも決勝戦よりも前に選考投票を実施することが理由で、決して準優勝チームから選ばれやすいというわけではありません。現に、2022年のカタール大会では、優勝したアルゼンチンからリオネル・メッシ選手がMVPに選ばれていますので、ただの偶然であることがわかります。

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ワールドカップ各大会ごとの歴代MVP

1982年:パオロ・ロッシ選手(イタリア)

 ユヴェントスやACミランで活躍したイタリアを代表するストライカーのパオロ・ロッシ選手。1982年のスペイン大会では、一次リーグこそ精彩を欠きノーゴールに終わりましたが、二次リーグに入ると持ち味の得点力でチームを牽引。ブラジル戦でハットトリックを達成すると、ノックアウトステージの準決勝・ポーランド戦でも2ゴールをマークしました。決勝の西ドイツ戦でも先制点を挙げる活躍で、イタリア代表を1938年大会以来44年ぶりとなる世界王者に導きました。なお、ロッシ選手は大会期間中に6ゴールを奪い、得点王にも輝いています。

1986年:ディエゴ・マラドーナ選手(アルゼンチン)

 言わずと知れたアルゼンチンのレジェンドであるディエゴ・マラドーナ選手。1986年のメキシコ大会は“マラドーナの大会”でした。グループステージの3試合では1ゴール4アシストの活躍でチームをノックアウトステージに導くと、準々決勝のイングランド戦では伝説となった「神の手」ゴール、5人抜きドリブルからのゴールと印象に残るプレーを見せました。準決勝のベルギー戦でも2ゴールを挙げ、決勝の西ドイツ戦では決勝点をアシスト。アルゼンチンを2度目のワールドカップ優勝に導きました。

1990年:サルヴァトーレ・スキラッチ選手(イタリア)

 キャリアの最後はJリーグのジュビロ磐田でプレーしたことで、日本のファンにも馴染みがあるサルヴァトーレ・スキラッチ選手。イタリア開催となった1990年大会では、グループステージ初戦のオーストラリア戦で途中出場すると、決勝ゴールを挙げてチームの勝利に貢献しました。第2戦までは控え選手でしたが、第3戦のソビエト戦から先発の座を勝ち取ると、3位決定戦となったイングランド戦では、1ゴール1アシストの活躍を見せ、母国を3位へ導きました。なお、スキラッチ選手はグループステージ第2戦以外の全ての試合でゴールを決めて、大会通算6ゴールで得点王にも輝きました。

1994年:ロマーリオ選手(ブラジル)

 長きに渡りセレソンのエースストライカーとして君臨し、生粋の点取り屋として数々の大会で得点王を受賞してきたロマーリオ選手。1994年のアメリカ大会では、グループステージで3ゴールを挙げました。準々決勝のオランダ戦では先制ゴール、準決勝のスウェーデン戦で決勝ゴールを決めるなど、大会通算5ゴールを挙げる活躍を見せました。ブルガリア代表のフリスト・ストイチコフ選手と1ゴール差で得点王にはなれませんでしたが、ブラジルを4度目の優勝に導きました。

1998年:ロナウド選手(ブラジル)

 「怪物」と呼ばれ、数々のビッグクラブでのプレー経験もあり、ブラジル代表での通算ゴール数第3位の記録を持つロナウド選手。1998年のフランス大会では、前回大会のMVPであるロマーリオ選手との強力2トップで出場する予定でしたが、ロマーリオ選手の直前のリタイアにより、エースとして出場することになりました。フランスとの決勝戦前日には胃痙攣に襲われてしまい、試合には出場できましたがベストパフォーマンスとはいかず、0-3で敗れて準優勝となりました。しかし、大会通算4ゴールを挙げて母国を決勝進出に導く活躍を見せました。

2002年:オリバー・カーン選手(ドイツ)

 ブンデスリーガの強豪バイエルン・ミュンヘンで活躍し、世界最高のキーパーと呼び声が高いオリバー・カーン選手。2002年の日韓大会では、ドイツのキャプテンとしてチームを牽引しました。最後尾から味方を鼓舞し、大会を通してファインセーブを連発しました。決勝戦ではブラジル代表選手との接触により、靭帯損傷の怪我を負ってしまいましたが、そのままプレーを続行しました。優勝こそ逃しましたが、大会を通した活躍が評価され、ワールドカップではゴールキーパーとして初めてとなるMVPを受賞しました。

2006年:ジネディーヌ・ジダン選手(フランス)

 レアル・マドリードやユヴェントスで活躍し、1998年の母国開催ではチームを優勝に導いたフランスの英雄であるジネディーヌ・ジダン選手。2006年のドイツ大会前の2004年に一度は代表引退を発表しましたが、復帰を熱望する声に後押しされる形でフランス代表に復帰し、今大会に臨みました。グループステージ序盤では精彩を欠きましたが、試合を重ねるごとに復調し、準々決勝のブラジル戦では決勝ゴールをアシストし、準決勝では決勝点となるPKを決めました。決勝戦では、「パネンカ」と呼ばれるチップキックでPKを決めて先制 。しかし、延長後半にイタリア代表のマルコ・マテラッツィ選手に頭突きを食らわせて一発退場に。準優勝に終わりましたが、フランスを決勝進出に導く活躍を見せました。

2010年:ディエゴ・フォルラン選手(ウルグアイ)

 Jリーグのセレッソ大阪でプレーしたことで日本でも知られており、マンチェスター・ユナイテッドやインテル・ミラノといった世界的なビッグクラブでも活躍したのがディエゴ・フォルラン選手。2010年の南アフリカ大会では、グループステージ第2戦の南アフリカ戦で、ミドルシュートとPKで2ゴールを挙げました。この試合と、グループリーグの初戦のフランス戦、準々決勝のガーナ戦ではマン・オブ・ザ・マッチに選出される活躍を見せました。フォルラン選手を含む4人が大会通算5ゴールを挙げて得点王となり、ウルグアイの40年ぶりの4強進出に貢献しました。

2014年:リオネル・メッシ選手(アルゼンチン)

「サッカーアルゼンチン代表 リオネル・メッシ選手」

 歴代最多7度のバロンドールを受賞し、世界最高の選手と呼び声の高い、アルゼンチンのエースでありキャプテンのリオネル・メッシ選手。2014年のブラジル大会では、グループステージ初戦のボスニア・ヘルツェゴビナ戦で、得意のドリブル突破からゴールを挙げて、自身にとって8年ぶりとなるワールドカップでの得点を挙げました。第2戦のイラン戦ではロスタイムに決勝点となるミドルシュートを決めて、第3戦のナイジェリア戦でも先制点と、直接FKを決め、2ゴールを挙げました。ノックアウトステージ第1戦のスイス戦では延長後半に決勝点をアシストし、準々決勝のベルギー戦では決勝点の起点となりました。準決勝のオランダ戦ではPK戦に突入し、自身もキッカーとして成功させて決勝に進出 。ドイツに敗れて準優勝となりましたが、大会通算4ゴールを挙げ、数多くのチャンスを演出し、決勝進出の立役者となりました。

2018年:ルカ・モドリッチ選手(クロアチア)

「サッカークロアチア代表 ルカ・モドリッチ選手」

 レアル・マドリードで主力として長きに渡り活躍しており、2018年にバロンドールを受賞したクロアチアの象徴であるルカ・モドリッチ選手。2018年のロシア大会では、グループステージ初戦のナイジェリア戦、第2戦のアルゼンチン戦で2試合連続ゴールを決め、チームの勝利に貢献しました。ノックアウトステージ第1戦のデンマークとの試合ではPK戦までもつれ込み、自身も3人目のキッカーとして成功させて 勝利 。準々決勝もロシアにPK戦の末に勝利し、準決勝ではイングランドを延長戦で下し、決勝に進出します。決勝ではフランスに敗れましたが、7試合中3試合でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれる活躍を見せて、母国を史上最高位となる準優勝に導きました。

2022年:リオネル・メッシ選手(アルゼンチン)

 2014年ブラジル大会でMVPを受賞したリオネル・メッシ選手は、これが最後のワールドカップだと公言した上で2022年カタール大会に出場。グループリーグ初戦から準決勝までの6試合にフル出場し、35歳とは思えないほどの鉄人ぶりを披露してきました。さらに決勝戦にも出場したことで、ワールドカップ最多出場試合数とワールドカップ最多出場時間の2つの大記録を更新。しかもただ出場しただけではなく、得点数は7で今大会単独2位、アシスト数は3で今大会1位タイと、「神の子」と呼ばれるにふさわしい獅子奮迅の活躍を見せて、アルゼンチンの36年ぶり3度目のワールドカップ制覇に大きく貢献しています。その実績が評価され、カタール大会のMVPに輝きましたが、1人の選手がワールドカップのMVPを2回獲得するのは史上初。メッシ選手にとって、今回のワールドカップは記録づくめの大会となりました。

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まとめ

 今回はワールドカップのMVPについて振り返りました。これまでも数々の名選手たちが獲得してきた最高の栄誉であるMVPですが、カタール大会ではアルゼンチンのリオネル・メッシ選手が2度目の受賞を果たしています。これは、上でも触れたように史上初の快挙ですから、今大会でメッシ選手が名実ともに世界最高のサッカー選手となったと断言しても、それほど異論は出ないのではないでしょうか?

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