壁を越えることはできなかった。PK戦への臨み方や、今後の戦略を巡る議論は尽きないだろう。ただ、第三者である世界にとって、森保一監督率いる日本が残したインパクトは確かなものだ。

　12月５日に行われたカタール・ワールドカップのラウンド16で、日本はクロアチアにPK戦の末に敗れた。前田大然のゴールで前半に先制するも、後半にイバン・ペリシッチの同点弾を献上。PK戦で南野拓実、三笘薫、吉田麻也が決められず、日本史上初の８強進出はならなかった。

　今大会の日本はグループステージ初戦でドイツ、さらに最終節でスペインと、直近の大会で優勝していたヨーロッパの２つの大国を撃破。下馬評を覆して初の２大会連続ベスト16進出を果たした。
 

　一方で、ピッチの外では、サポーターによるスタジアムのスタンドでのゴミ拾いや、選手らチームがロッカールームを見事に片づけてから去る様子に賛辞が寄せられている。
【画像】世界が賞賛した日本のローカール―ム。敗れたクロアチアの後も…

　米『CNN』は「日本とそのファンはずっと忘れないような思い出を残し、カタールや世界中で多くの称賛を集めた」と、今大会における森保ジャパンの戦いと、彼らを支えたサポーターを称賛した。

「ベスト８進出はならなかったかもしれないが、リツ・ドウアン、ジュンヤ・イトウ、ワタル・エンドウ、ダイゼン・マエダのような選手たちはみな、その評価を高めた」

「サムライブルーがドラマ、議論、礼儀をもたらした一方で、日本のファンも（スタジアムのゴミ拾いで）カタール大会で良い雰囲気をつくる一翼を担うのに忙しくした」

　最後に、CNNは「世界のサッカーファンより、アリガトウゴザイマス！」と締めくくっている。

　さらなる一歩を踏み出すための課題の分析、改善のための方法論を話し合うことは必須だ。だが、森保ジャパンと日本のファンが胸を張って世界に誇れるだけのことをしたのに疑いはない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部