今大会は中盤の活躍が目立った

日本はFIFAワールドカップに7大会連続で出場している。しかも今回のカタール大会ではベスト16入りしており、前回のロシア大会に続いてだ。これは史上初のことであり、2026年のW杯では次のステージに進みたい。

そんな日本の挑戦に立ちはだかったのが、クロアチアだ。前回大会の2位チームで、その安定感は流石だった。ただドイツ戦の前半やスペイン戦のように圧倒的に支配される場面は少なく、可能性があっただけに残念だ。

英『The Athletic』では日本対クロアチアを振り返り、MOMとして遠藤航を選出している。

「敗れはしたが、このMFは日本のために中央で素晴らしいパフォーマンスを披露した。試合の中で遠藤はあらゆる局面に顔を出し、今大会を通じて日本代表の中で最も傑出した選手の一人であった。4本のキーパスと2回のビッグチャンスを作り出しただけでなく、遠藤は6回の地上戦、3回の空中戦に勝利し、5回のクリアと2回のタックルを決めた。この29歳は素晴らしいパフォーマンスを見せた」

このように同メディアは遠藤を大絶賛している。

遠藤を含め日本の中盤は今大会を通じてハイレベルのパフォーマンスを披露した。遠藤は攻守両面で走り回り、クロアチア戦では素晴らしいミドルシュートを放っている。クロアチアのGKドミニク・リヴァコビッチに阻まれてしまったが、ゴールネットを揺らしてしてもおかしくはなかった。

守田英正はラウンド16クロアチア戦での活躍が素晴らしかった。遠藤のような派手なプレイはないが、常に相手の嫌がることを続ける。とくに狭いエリアでのボールコントロールに長けており、ビルドアップで日本を支える。ミスすることなくボールを運び、広い視野を生かしてフリーになっている味方を見つける。右ウイングバックで起用された伊東純也へのロングパスは見事で、遠藤と守田のボランチコンビは別格だった。

田中碧は持っている選手だ。代表デビューとなったホームのオーストラリア戦でゴールを決め、このW杯ではスペイン戦で逆転弾を挙げた。[4-5-1]となってから出場機会を減らしていたが、ここぞという場面で仕事ができる。24歳と次のW杯ではおそらく中心の年代であり、ここからの成長に期待したい。

“秘密兵器”柴崎岳の出番は結局なかった。広い視野と豊富なアイデアは遠藤、守田、田中にないものだったが、代わりに不安定さが目立った。W杯は一つのミスが命取りであり、森保一監督は起用に躊躇してしまったか。

全体的にハイレベルだった日本の中盤。ただ遠藤は29歳、守田は27歳と次大会は30代であり、そういった部分も上手くやらなければならない。