世界にも通用するストライカーになれるか

日本のFIFAワールドカップ・カタール大会はベスト16で終わった。グループステージでドイツ、スペインを破ったが、決勝トーナメントではクロアチアにPK戦の末、惜敗。残した印象は大きかっただけに、念願の8強入りをここで成し遂げたかった。

今大会、代表内での地位を高めたのは、前田大然だ。普段セルティックでプレイするストライカーは、最前線で守備に翻弄。押し込まれることが多かった日本を助けるべく、相手のビルドアップにプレッシャーをかけ続けた。

それは数字にも表れており、『FIFA.COM』によると、クロアチア戦の前田のプレッシング数は56回。これは両チーム通じてトップの数字だ。凄いのは前田のプレイタイムで、64分にベンチに退いている。試合は延長含めて120分行われており、それでも前田がトップの数字を残した。

「彼は絶対的な生命力を持った選手だ。彼はまるで取り憑かれたかのようだ。ボールのあるなしに関わらず、相手からすれば厄介に違いない」

英『BBC』では元マンチェスター・ユナイテッドのリオ・ファーディナンド氏が前田の奮闘を称賛している。ファーディナンドは現役時代センターバックとしてプレイしており、前田の怖さが分かるのだろう。もし自分が最終ラインボールを持っていた際、あれだけのスピードを持つ選手がこちらに向かってきたら、それだけで脅威になる。

「私が彼の好きなところは、常に動いているところだね」

元ニューカッスルのアラン・シアラー氏も前田の活躍に触れており、良さについて語っている。攻撃面での動き出しは重要であり、前田は常に走り込んで好機をうかがっている。

スピードという素晴らしい武器を持っている前田。まだまだ課題の多い選手だが、セルティックの韋駄天が日本の得点力不足という課題を克服してくれるのだろうか。