FIFAワールドカップカタール2022の戦いを終えた日本代表が7日に帰国し、森保一監督や主将を務めた吉田麻也(シャルケ/ドイツ)らが記者会見に臨んだ。

 森保監督は冒頭、国民に向けて「日本から熱い共闘の熱いエールが届いていたおかげで、我々は、そして選手は心強く勇気を持って世界に挑むことが出来ました。本当に皆さんの応援がチームのエネルギーになったことをお伝えできればと思っています」と謝辞を述べ、「今回は我々だけで戦ったのでなく、チーム、サポーター、国民の皆さん、日本が一丸となって戦えば、世界と戦える。どんな相手も倒していけるという力を持てることを国民の皆さんと共有できたら嬉しいです」との思いを口にした。

 今大会は26人中19人がW杯初出場という中でベテラン勢の存在が大きかったことを強調しつつ、「若い選手、経験のない選手でも、日頃しっかりとしたことをやっていれば、できるんだということを、勇気を持って自信を持ってプレーしてくれたことが日本の若者に伝わっていくと嬉しいなと思います」と主張。さらに、「まだまだ新しい時代の入り口に過ぎないと思っています」と述べ、国民のさらなる後押し、応援をお願いした。

 その後、『悲劇の地だったドーハがどのような場所になったか』との質問を受け、29年前に選手として“ドーハの悲劇”を経験している森保監督は、「順位的な歓喜にはなりませんでしたけど、選手・スタッフと最高の準備と全力を尽くし、国民の皆さんとチームが一体になってW杯優勝経験のある国を敗ることができたりと、素晴らしい経験をすることができました。ドーハの悲劇からドーハの歓喜を味あわせていただきました」と笑みを見せ、選手やスタッフに伝えた最後のメッセージについて次のように語った。

「まずは我々が活動してきた過程の中で、その場に、カタールにいなかった選手たちが道をつなげてくれて、日本のサッカーファミリーの皆さんが道をつなげてくれて、国民の皆さんが道をつなげてくれたことに感謝して、幸せなこの素晴らしい大会ができたことを締めようと話しました。選手たちには、高い基準を持ってより高いレベルでプレーすること、そしてW杯基準という世界で勝つために何をすればいいかということを常に持ち続けて成長してほしいと伝えて終わりました。プラス、個の強さはもちろんですけど、チームの団結力、一体感、繋がる力というのは日本の良さだと思うので、そこは忘れないように持ち続けてほしいということは伝えました」

 また、PK戦で選手たちに順番を託したことについては「私は毎回同じPK戦の戦い方をしていたので、今回も同じ形をとることにしました。後々、結果を掴み取れなかったということにおいては、そして選手に責任を負わせてしまったということにおいては、私が全て決めた方が選手にとっても良かったかなという部分もありますし、結果も違っていたかもというタラレバもありますが、トレーニングもしていたし、そこに気持ちを込めてPKを蹴ってもらう判断をしました」と説明。その上で、キッカーを務めた選手を讃え、「失敗を恐れず勇気を持ってチャレンジすることが大切だと感じてもらえると嬉しい」と結んだ。

 これには、キッカーを務めた一人でもある吉田麻也も言及。「全く同じやり方で五輪のニュージーランドに勝っているので、このやり方が間違っていたとは特に思わなかった」と語り、一部メディアでの事前に決めておくべきだったという主張に対しては、「全部結果論じゃないかなと思います。負けたからそのやり方にフォーカスされていますが、選手側としてはそこに間違いがあったとは思わないです」との見解を口にした。