イングランド代表DFカイル・ウォーカー(マンチェスター・C/イングランド)が、10日に控えたFIFAワールドカップカタール2022・準々決勝のフランス代表戦に向けて意気込みを語った。イギリスメディア『BBC』が会見の様子を伝えている。

 グループBを首位で通過したイングランド代表は、4日に行われた決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)でセネガル代表と対戦。前半はセネガル代表が強度の高いプレスと鋭い攻撃を武器にチャンスを作ったが、イングランド代表は39分にジョーダン・ヘンダーソン(リヴァプール)のゴールで先制に成功。前半アディショナルタイムには“エース”のハリー・ケイン(トッテナム)に今大会初ゴールが生まれた。後半にはブカヨ・サカ(アーセナル)が勝負を決定付ける3点目。終わってみれば3-0で快勝を飾っていた。

 次の対戦相手は“前回王者”のフランス代表だ。ここまでは攻撃陣が好調で、キリアン・エンバペ(パリ・サンジェルマン)は既に5得点を記録し、得点王争いをリードしている。今大会は左ウイングの位置に入っているエンバペと対峙するのは、おそらくウォーカーになるだろう。ウォーカーはグループB第3節のウェールズ代表戦で負傷から復帰すると、セネガル代表戦はフル出場。コンディションを上げ、準々決勝に臨むこととなる。

 “エンバペ封じ”が鍵になると見られる中、ウォーカーは「自分が何をすべきかは理解している。彼(エンバペ)を止めることだ」とコメント。「口にするのは簡単だが、実際には難しい仕事だ。だが、僕は自分の能力を誰よりもわかっている」と力強く話すと、以下のように続けた。

「彼は絶好調の素晴らしい選手だ。決して簡単なタスクではないだろう。だが、プロのサッカー選手は、最高の相手と対戦したいと思うものなんだ。彼は現在、世界最高の選手の1人だから、楽しみだ」

 ウォーカーは所属クラブのマンチェスター・Cで、エンバペが在籍しているPSGとの対戦経験がある。エンバペがウォーカーのことを高く評価していることを聞かされると、「あの試合はタフだったから、それを聞いて嬉しいよ」と話した。一方で「彼がトッププレーヤーであることは周知の事実だが、僕らはテニスをしているんじゃないんだ。サッカーは1人でやるスポーツではなく、チームプレーだ」ともコメント。「彼には敬意を払っているし、確かにタフなゲームになるだろうけど、チームは1人だけのものではないんだ」と続けた後、「確かに彼はフランス代表の武器であり、非常に優れた選手だが、他の選手を過小評価することはできない」と、個人戦でなくチームとしての戦いであることを繰り返し強調した。

 それでも、ウォーカーは「彼の前にレッドカーペットを敷いて『得点をどうぞ』と言うつもりはない。ワールドカップは生きるか死ぬかの戦いなんだ」と、局面のバトルでは負けないつもりであることを主張。「世界王者との対戦になるが、両チームともに良い選手たちが揃っている。互角に戦えるだろう」と語った。

 イングランド代表とフランス代表の一戦は日本時間で10日の28:00にキックオフを迎える。